保安検査をすり抜けた客が悪いのか
以下はニュース記事の引用。
【新千歳空港で8月5日午後0時10分すぎ、若い女性客1人が国内線ターミナルの保安検査場で金属探知機を通過せず、羽田行きに搭乗して出発するトラブルがあった。この影響で機内や搭乗待合室など、制限エリア内にいた約1000人にのぼる全乗客がエリア外に出され、保安検査がやり直しとなり、欠航や大幅な遅延が発生した。
空港関係者によると、女は保安検査場で搭乗券を読み取り機にかざした際、エラーが出たという。警備員が対応を協議するために離れた隙に、無断で通り抜けた。】
ネットではこの「すり抜けた客」をまるで犯罪者の様に扱う声もあり、上記記事でも「女性」とはせず「女」として、やはり容疑者扱いだ。
でも、ちょっと待ってほしい。
この記事はおそらく空港の保安検査側の視点から書いているようだが、保安検査員は一人ではない。通常は1台のレーンに3人は付いている。仮に一人が席をはずしたとしても、他の検査員は何をしていたのだろうか。誰も制止しなければ客がそのまま通過しても不思議はない。
問題にすべきは、通過していった客ではなく保安検査体制の方だ。
私も以前、大分空港でビックリするような出来事にであったことがある。
保安検査のドアが開いたまま検査員の姿が見えないのだ。中に入ってみるとカーテンの向こうで係員らしき人たちの会話が聞こえた。そこでドアが開いていると大声で教えると慌てて飛び出してきて、私の検査を行った。
もし、黙ってあのまま通っていたら、私も無断で「すり抜けた」ことになるのだろうか。
既に待合室には何人か客がいたようだが、係員たちはそれらの人々を改めて検査をやり直すこともなく、そのままにしていた。多分、自分たちのミスを明らかにしたくなかったのだろう。
1000人もの乗客を再検査したが、肝心の女性客は予定通りの飛行機に搭乗して目的地に到着したとある。
再検査の体制もまた、いい加減だったわけだ。
国内空港の保安検査がズサンであることは、以前、当ブログに国際線保安検査員がコメントしていた。その人によれば、国内は保安員の質が悪いせいだとか。
それはともかく、乗客側を一方的に悪者扱いするのは同意できない。
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