西のかい枝・東の兼好(2016/9/15)
第二十四回 にぎわい倶楽部 「西のかい枝・東の兼好」
日時:2016年9月15日(木)19:00
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
< 番組 >
前座・三遊亭けん玉『強情灸』
三遊亭兼好『大安売り』
桂かい枝『鹿政談』
~仲入り~
桂かい枝『雪の旅笠』
三遊亭兼好『鰻の幇間』
世の中狂ってるね。例の中村橋之助の不倫騒動って相手は京都の芸妓(げいこ)さんでしょ、玄人(くろうと)じゃないの。役者と玄人の火遊びなんて、ほおっておきゃ良い。後は本人と奥さんと、二人だけの問題でしょ。
アーやだやだ、近ごろの「道徳ファシズム」には息が詰まるね。
この日、上方の繁盛亭は創立10周年を迎えたとのこと。「おねり」の後で記念公演があり、かい枝はそこで1席務めた後でこの会場に駆け付けた。会長の文枝も上機嫌で、楽屋で珍しく酒を一合飲んだ。お替りを勧めると、「もう二号には懲りた」。かい枝のネタです。
兼好『大安売り』、1席目は小噺に毛が生えた程度の軽い相撲ネタ。太ってるひとが演るとリアル感があり、兼好のような人が演ると愛嬌がある。
かい枝『鹿政談』、奈良の名物「大仏に鹿の巻筆あられ酒、春日灯籠町の早起き」から、町の早起きの理由を説明し、ネタへ。前段の解説の部分に時間をかけたせいか、後半の裁きの場面が他の演者と比べあっさり気味。
サゲは奉行が扇子で首を叩き、「斬らず(きらず:豆腐のおから)に返す」で切っていた。
かい枝『雪の旅笠』、露の五郎兵衛の創作らしい。新潟の親不知という難所を舞台にした怪談噺と見せかけて、実は落とし噺。場内を暗くし、かい枝も不気味に語るので、すっかり騙される。
兼好『鰻の幇間』、いかにも兼好らしい明るく楽しい高座。ただ、このネタの最大のテーマである幇間の悲哀にはイマイチの感あり。取り巻こうとした男が勘定を払わずに逃げた事を聞いた時に、幇間の落胆ぶりをもっと強調すべきだったのでは。
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