「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。」(2016/10/8)
SOLID STARプロデュースvol.8「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。」
日時:2016年10月7日(土)19時
会場:俳優座劇場
【脚本】山崎洋平(江古田のガールズ)
【演出】白柳力(こちらスーパーうさぎ帝国)
< 出演者 >
野村宏伸、山田菜々、五十嵐麻朝、髙木 俊、寺山武志
山本栄治(アンバランス)、岩崎う大(かもめんたる)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)
宮崎理奈、小林亜実、山北早紀、西岡大輔、宮城紘大、高根正樹
【あらすじ】
「私の遺産10億円を受け取ってください!」というメールを突然受け取った男女9人が、ある屋敷に集まる。お互いに全く面識がなく、共通点も見いだせない。半信半疑だったが、もしや本当なら大金を手にすることができる。そういうかすかな望みを抱いて集まった人たちの前に、故人から遺産相続を委嘱されたと称する弁護士が現れる。
故人は世間に名の知れた映画監督だった人物で、自署された遺言まであるという。ここまで来ると俄然10億円は絵空事ではなくなってきた。
そこへ個人の実子と称する男女5人が現れ、相続の対象は14人になる。
相続の方法は故人の遺書に書かれていて、それを弁護士が読み上げるが、時間とともにルールが次々を変更されてゆく。
その過程で14人の人間たちの素性や、金に対する執着の程度も明らかになる。
相続の権利が、なぜこの14人なのか?
10億円は無事、14人に分配されるのか?
そして、こうした遺言を残した個人の意図は何か?
ミステリー風な出足だが、芝居全体はコメディに近い。
カオスのような状況が次第に収束してゆき、最後にどんでん返しがある。
最初は平凡な芝居に見えたが、脚本はよく練られていたように思う。
醜い遺産相続の争いが絶えないのは、金を見ると人間が変わるし、本性が出てくるからだ。この芝居のテーマはそこだ。
今の若者たちの風俗を織り込みながら楽しく見せてくれたが、登場人物たちのそれぞれの人生にもう少し突っ込んで欲しかった。
なお、芝居のタイトルは10年ほど前に流行った迷惑メールから取ったものだそうだ。
観客の多くは若い女性で、当方のような人間は場違いだったかも。
公演は10日まで。
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