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2016/10/19

平成落語ブームって、どこが?

今日(2016/10/19)のNHKの番組表をみると、「クローズアップ現代+」に「平成落語ブーム到来!?」というタイトルが書かれている。また今日から「超入門 落語ザ・MOVIE」という新番組が始まるようだ。
永年、寄席や落語会に通っている人間から言わせてもらえば、平成落語ブームなんて、どこの話だろうと訝ってしまう。

ここのところ行った寄席はガラガラで、鈴本演芸場の2回と末広亭では開演時に客が10人前後だった。前列に座っていると楽屋の喧騒は聞こえてくるが、客席は静まりかえっている。そりゃそうだろう、こっちの人数の方が少ないんだから。
さすがに仲入り頃になって客が増えていたが、それでも数十人。高座の噺家が、詰めれば前の2列で済みますね、なんて言ってたっけ。
あれだけ閑散としていると却ってこっちが緊張してしまい、楽しめなくなる。なんとなく席亭や芸人に申し訳ない気がしてくるのだ。不思議だね。
そのいずれも、出演者の顔づけは決して悪くなかったし中身も良かった。ただ人気者と言われる人たちが出ていなかったのだ。

確かに一部の噺家の人気は高く、前売りが秒速で完売とか、プラチナチケットとかいわれる状況もある。
そういう人は皆落語が上手いのかというと、そうとは限らない。むしろTVなどのメディアへの露出が多いからというケースが目につく。それも演芸番組ではなく、たいがいはバラエティ番組だ。台本にそっていかにも自分が考えたかのように演じるという技能と、ナマの高座で落語を聴かせる技能とはまったく性質が異なる。
TVに出ていることと落語が上手いこととは無関係なのだ。
いつもTVでみている人を実際に見てみたいという気持ちは分からなくはないが、それで集客できたとしても落語ブームとは別問題である。

昨日の朝日新聞夕刊の一面トップが、春風亭ぴっかり☆の記事と写真だったのには驚いた。アイドル系の女流落語家として人気が高く、横浜にぎわい座(記事には書かれていなかったが「のげシャーレ」の方だ)の公演が前売りで完売だったという記事だ。
一面のトップになるような記事かいと思うが、NHK同様にこんな形でブームを煽っているんだろう。
ぴっかりだが、女流落語家の中では上手い方だと思う。しかし、その人気はルックスにあるのだろう。
男の噺家の中でも見栄えがいいと、イケメン落語家なんていって人気が出る人もいる。
そういうのを楽しみに行く人も否定はしないが、それで客が集まったからといって落語ブームうんぬんを語るのは筋違いに思える。

実力のある人がじっくり聴かせる落語会に大勢の客がくるようになって初めて、落語ブーム到来と言える。
今般のメディアのとりあげ方は、空騒ぎに思えて仕方ない。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

「“平成落語ブーム”とかけて 若者と解く その心は!?」(さだまさし、小痴楽)
一之輔も出て語っておりました。うっかりしてその心はの答えを聴きはぐりました。

>TVに出ていることと落語が上手いこととは無関係
仰る通りで、寄席に来ればうまい落語家がいることがわかるのです。
前にも書いたのですが、あの志ん朝がお客に「笑点」に出られるように頑張れと言われたそうです。

福様
2000年台の初めにあった落語ブームは、噺家を主人公にしたTVドラマがあり、志の輔や談春、喬太郎といったスター落語家が人気を集め、女性客が増えるという目に見えた現象がありました。
今は、無いですね。

左龍みたいなイケメンがいいですね。
長すぎるマクラ、これもそれを目当ての客が多いからでしょうか、自分の首を絞めていることに気がつかないかな。

佐平次様
喬太郎が左龍は顔で得をしていると言ってましたが、その通り。落語家向きという顔はありますね。
談志のCDに長すぎるマクラに客が焦れてヤジを飛ばし、談志が言い返して口喧嘩になったのがあります。談志はそれを機にネタに入ってますが、そんなら最初からネタをやればいいのにと思いました。

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