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2016/11/01

小満ん独演会(2016/10/31)

「小満ん独演会」
日時:2016年10月31日(月)13時
会場:新宿末廣亭
<  番組  >
前座・柳家あお馬『小町』
柳家やなぎ『松竹梅』
柳家一九『時そば』
柳家小満ん『長者番付』
桃月庵白酒『四段目』
~仲入り~
柳家小満ん『蝦蟇の油』
柳家小菊『粋曲』
柳家小満ん『明烏』

定席では31日がある月に限って、月末1日限りの「余一会」を開催している。10月の末廣亭・昼の部は「柳家小満ん独演会」だ。
平日の昼間に小満んを聴きに来る人ってぇのは、通か変人かのどちらかだだろう。まずますの入りといったところ。
顔づけは白酒を除けば全員が柳家。

前座のあお馬『小町』、小せんの弟子らしいが上手い。語りや間が前座とは思えない高座だ。珍しく拍手をしてしまった。タイトルは本人が「小町でございます」と言ったのでそうしたが、『道灌』の前半のようだった。通常、この小野小町のエピソードは『千早ふる』の前半に入るのだが、誰の型だろうか。

やなぎ『松竹梅』、毎度のことながら、細かないい間違いが気になる。このネタで大家が見本を見せるときは、多少でも謡曲風に謡って見せる必要があるのでは。

一九『時そば』、久々だった。最初の男が蕎麦をほめるとき、いちいち「蕎麦屋さん」と話しかけるのが可笑しかった。美味い蕎麦と不味い蕎麦の食べ分けが見所。

小満ん『長者番付』、上方では伊勢参りの中の一遍で『うんつく酒』。師匠・小さんの十八番で、小満んの高座も師匠の高座を忠実になぞっていた。

白酒『四段目』、芝居で遅くなった小僧が店の主人に懸命に言い訳をする場面を見せ場にして長めに取り、蔵の中で小僧が四段目を真似る場面はあっさりと。恐らく、白酒は芝居の所作が苦手なんだろう。それでもこうしたネタを掛けて客を満足させる所が、白酒の実力。

小満ん『蝦蟇の油』、アタシが幼少の頃は『ガマ』といえば3代目柳好の代名詞みたいだったが、この日の小満んの高座もそうだったが現役の人の多くは圓生の型で演じる。オリジナルである『両国八景』に基づき、夜店や見世物小屋の風景を前段にして本題に入る演じ方だ。柳好が蝦蟇の油売りの前半での立て板に水ともいうべき口上が売り物だったのに対し、圓生やこの日の小満んの場合は後半の泥酔してからの怪しげな口上を聴かせ所にしている。小満んのゆったりとした語りが、後半での口上には有効だった。

小菊『粋曲』、都々逸を1曲唄った後で拍手が起きたら、「普段ここ(末廣亭のこと)では、こんな事はないんですよ。さすがは小満んさんの会ですね」と言っていた。確かにこの日の客はマナーが良かった。
珍しい「立山」や、トリのネタに因んで「明烏」を一節聴かせてくれた。やっぱり小菊姐さんはいいねぇ。

小満ん『明烏』、マクラで吉原の歴史や構図、しきたりの説明があった。四隅にお稲荷さんが祀られていたそうで、源兵衛と太助が吉原をお稲荷さんへお参りと偽ったのも全くのウソではなかったことになる。こういう所が小満んらしい。
ストーリーの運びは常法だったが、一つ大きな違いは浦里と時次郎の床入りの場面を加えていたことだ。
時次郎が先に床に入ると、後から浦里が一緒に寝かせてと布団に入ってくる。嫌がる時次郎が背中を向けてしまうと、浦里は時次郎の首の下から手を回して身体を抱きしめる。彼女の白粉や麝香の匂いが時次郎に伝わると、思わず浦里をぐっと引き寄せ・・・、なんてね。まるで『宮戸川』だ。
こんなに詳しく書くことぁないんだが、こういうのが好きなもんで、ついつい。
以前から疑問に思っていた、時次郎の一晩の変身の謎が解けた。
色っぽいが嫌らしくないという、小満んの描写だった。

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コメント

そうそう、時次郎はどうしてこうしてああなった、のかと思っていました。
想像に任せるのも粋ですが、ちょっと覗かせるのもサービス満点。

投稿: 佐平次 | 2016/11/02 11:08

佐平次様
後ろから抱きしめられては時次郎も陥落。浦里はさすがはプロ、赤子の手をねじる様なもんだったのでしょう。ここから翌朝の源兵衛と太助が起こしに来る場面につながるので、こういう演じ方もありかなと思いました。

投稿: ほめ・く | 2016/11/02 18:05

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