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2016/12/15

「定式能 十二月昼能」(2016/12/14)

「東京能楽囃子科協議会 定式能 十二月昼能」
日時:2016年12月14日(水)13時30分
会場:国立能楽堂
<  番組  > 
【舞囃子】
金剛流『巻絹』
シテ:金剛永謹
観世流『小袖曽我』
シテ:武田志房
ツレ:武田宗和
宝生流『班女』
シテ:大坪喜美雄
観世流『女郎花』
シテ:武田尚浩
観世流『玄象』窕
シテ:松木千俊

【狂言】
和泉流『楽阿弥』
シテ:野村萬斎
アド:野村万作 野村裕基
地謡:深田博治 高野和憲 中村修一 内藤連 飯田豪

【能】
宝生流『舎利』
シテ:辰巳満次郎
ツレ:和久荘太郎
ワキ:福王和幸
囃子:(笛)藤田次郎 (小鼓)住駒匡彦 (大鼓)亀井広忠 (太鼓)大川典良
地謡:朝倉俊樹 金井雄資 水上優 小倉伸二郎 澤田宏司 佐野玄宜 内藤飛能 

舞囃子(まいばやし)とは、能のある曲の中の舞所だけを取り出し、シテが面・装束をつけず、紋服・袴のままで地謡と囃子を従えて舞うものを指す。
つまりサワリの部分だけをダイジェストで舞うということだから、オリジナルを知らないと面白味は分からない。
私の様なビギナー向きではなかったのか、退屈だった。

狂言『楽阿弥』
楽阿弥の霊(シテ):野村萬斎
旅の僧(アド):野村万作 
所の者(アド):野村裕基
【物語り】
伊勢参詣の旅僧が,伊勢の国の別保(べつぽう)の松原に着くと,1本の松に尺八が数多くかけられているのを見る。所の者にいわれを尋ねると,昔ここに住んでいた楽阿弥という尺八吹きが尺八の吹き死にをして,今日はその命日にあたるので,あのように尺八を手向けるのだと語り,僧にも供養を勧める。
旅の僧も懐から尺八を取り出して奏しはじめると楽阿弥の幽霊が現れる。
二人は尺八によって時代を超えた縁があったことを喜んで、尺八を一緒に吹いて楽しく過ごす。
やがて楽阿弥は、自分が非業の死を遂げたことを語り、今でもあの世で苦しんでおり、輪廻出来るものではないと僧に助けを求めつつ、消えて去っていく。

コミカルなストーリーの多い狂言にあっては異色とも思える作品で、「夢幻能」の原型となる作品だそうだ。
見所は幽霊となった楽阿弥が、自らの非業の最期を舞い語る場面で、シテの野村萬斎の朗々たる声の響き、舞いの美しさに見とれてしまった。
人間国宝の野村万作の舞台も初めて見られたし、これだけでも来たかいがあった。

能『舎利』
里人(前シテ):辰巳満次郎
足疾鬼(後シテ):同上
韋駄天(ツレ):和久荘太郎
旅僧(ワキ):福王和幸
【物語り】
出雲の国美保の関の僧が京都へ上り、唐の国から渡って来たという仏舎利を見ようと、東山の泉涌寺にやって来る。寺の僧の案内で仏舎利を拝んでいると寺の近くに住むという男(里人)がやって来て、一緒に舎利を拝む。
突然空がかき曇り稲妻が光ると男の顔はみるみる鬼と変り、自分は昔の足疾鬼(そくしっき)の執心であると言い、仏舎利を奪って虚空に飛び去って行く。
旅の僧は、寺の僧から足疾鬼が釈迦の歯を盗んで飛び去ったが、韋駄天という足の速い仏が取り返したという逸話を聞く。
二人が祈ると韋駄天が現れ、足疾鬼を天上界に追い上げ下界に追いつめ、仏舎利を取り返す。足疾鬼は力も尽き果てて逃げ去る。

舎利とは釈迦の遺骨のことで、京都の泉涌寺にある舎利堂は古くから信仰が盛んであった。白米のことをシャリというが、語源はここから来ている。
韋駄天は今でも足の速い人を指して言う。
韋駄天が足疾鬼を追い詰め打ち据える場面などがあり、見ていても分かり易い。
ただ、ここでは帝釈天から下界の地獄までのタテの時空間を平面で表現しているのだそうで、そこまでの想像力には及ばなかったのは当方の限界だ。

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コメント

万作は先日の友枝能のアイは病欠で萬斎が代理でしたが、元気でしたか。
珍しい狂言ですね。

佐平次様
万作、少し声が嗄れていましたが立姿、足の運びはさすがでした。
珍しい狂言でしたが、それだけ見所も多かった様に思いました。

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