突然ですが、「ザ・桃月庵白酒 其の三」(2017/2/18)
大手町落語会「ザ・桃月庵白酒 其の三」
日時:2017年2月18日(土)13時
会場:よみうり大手町ホール
< 番組 >
桃月庵白酒『死神』
桃月庵白酒『青菜』*
~仲入り~
桃月庵白酒『甲府い』*
桃月庵白酒『うどん屋』
*)ネタ出し
当ブログは今月休載中だが、今日と他にもう一日に限りの臨時開店。
月の前半にパキスタンに行き、撮影した1000枚ほどの写真整理に追われている。現地ガイドの案内を右から左へと聞き流しながらカメラのシャッターを押していたので、写真がどこで何を撮ったものなのかを調べるのに時間がかかっている。
一段落したら「別館」で旅行記の掲載を開始するので、こちらのサイトは3月に入ってからの再開になる予定。
大手町落語会の「ザ・」シリーズは、さん喬・権太楼と白酒の三人が交互に演じている。一人4席というハードな会なので、持ちネタが多く集客力のある演者に限られることになる。そうなると若手ではやはり白酒が一番手だろう。
マクラで内輪話のいくつかを披露していたが、その中で寄席の難しさを語っていたのが印象に残った。寄席は個々の芸人が後ろ後ろへとつなぎ、最後のトリを引き立てるという構成になっていて、その流れの中で個々の役割を果さねばならない。その中で一人でも流れを壊す人が出てくると、全体がぶち壊しになるというケースが少なくない。だからと言って適当に演じると、観客から不満が出る。この兼ね合いが難しいのだと。
寄席の出番については1年先まで決まっていて、小三治の場合は2年先まで予定が入っているそうだ。
噺家として食っていけるかどうかが問われるのは40代、50代になってからで、気が付いた時にはどうにもならないとも。
フ~ン、成るほど。
高座は四季に因んだネタを各一席。
『死神』春
通常の死神と異なり、明るく健康的な死神という設定だ。死にたいと言う男に対し「一緒に頑張ろう」と激励する。
死神のアドバイスですっかり成功した男、ずに乗ってオークションで一番払いのよぃ患者を優先して診察する。
男が京大阪で女と散財する箇所はカットし、いくら稼いでも浪費癖でスッカラカラカン。
大金をあてこんで行った患者だが、死神が枕側に座っている。そこで店の奉公人を使って「カゴメカゴメ遊び」を始め、気が付いた時は死神が足の側に。
後は、通常通りに死神に無理やり連れられ蝋燭の洞窟に。今にも消えそうな蝋燭を無事に新しいのに移し替えたと思ったら、溶けた蠟が手元に垂れてきて、ついつい・・・・。
白酒は、オリジナルの暗さを消して、カラッと明るい一席にまとめた。
『青菜』夏
後半の植木屋夫婦の会話や、友達を家に引き込んでお屋敷の真似をする場面は白酒らしい爆笑の高座だったが、前半のお屋敷の場面では主人の風格を含めてもっと涼しさを感じる演じる方が望ましい。
『甲府い』秋
あまりに「善い人」ばかり出てくるのと、儒教色や宗教色が強いネタとして敬遠される傾向にあるが、白酒の高座ではそうした「色」を薄くして演じた。
豆腐屋の主人も単なる善人ではなく、それなりに計算した上での善意だった様にも思われリアリティを感じる。
この人の明解な語りが生きていた。
『うどん屋』冬
しつこい酔っぱらいの描写は良く出来ていたが、うどん屋が荷をかついで売り歩くときに肝心の真冬の寒さが感じられなかった。そのため、サゲがややぼけてしまった感がある。
若手真打では白酒が先頭を切っているが、直ぐ後ろを一之輔が追いかけて来ているので、うかうかしていられまい。
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