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2017/03/03

三越きらめき寄席(2016/3/2)

三越落語会特別企画「三越きらめき寄席」
日時:2017年3月2日(木)午後6時
会場:三越劇場

前座・笑福亭希光『時うどん』
<  番組  >
桂宮治『蜘蛛駕籠』
柳亭市弥『紙入れ』
神田松之丞『雷電の初土俵』
春風亭柳朝『ねずみ』
~仲入り~
柳亭小痴楽『粗忽長屋』
隅田川馬石『幾代餅』

三越劇場は今年創立90周年を迎えるという事で、特別企画の会を催すようだが、今回もその一つ。
顔ぶれは、
落協の若手真打+芸協の成金+α
という組み合わせ。
以下、寸評。

宮治『蜘蛛駕籠』
そんなにギラギラせんでも、と、ついつい思いたくなる。
押し付けがましいというか、エゲツナイというか、どうもあの芸風は好きになれない。
このネタの多彩な登場人物の演じ分けが不十分で、技術的にはまだ粗い。

市弥『紙入れ』
このネタの最も肝心なのは、お店の女房の造形だ。人妻でありながら、出入りの若い男を咥えこもうというのだから、相当なもんだね。
新吉を誘うときも年増の色気をださなくっちゃいけないが、品が無いと女郎になってしまう。婀娜な年増の色気を出すには、年が若いので無理かな。

松之丞『雷電の初土俵』
いつも冒頭に、従来の講談を演り方の否定から入るのだが、あまり感じもいいもんじゃない。例えば過去の講談は分かりにくかったと切って捨てる。
アタシが小学校低学年で寄席に連れられて行っていた当時、貞山、貞丈、馬琴といった名人上手が健在だったが、講釈はアタシでもよく分かったし面白かった。
だから、過去の講談が難しかったなどと断言するのは間違いだ。
講釈の世界に新風を送ろうという意欲は買うけどね。

柳朝『ねずみ』
この人の最大の特長は佇まいだ。動きが綺麗だし声も良い。
客引きの坊やのいじらしさや、甚五郎の風格も十分に表現されていた。
ねずみ屋の主の独白では、もう少し緩急が欲しいと思った。さすれば観客がもっと感情移入するとのでは。

小痴楽『粗忽長屋』
上手い。マクラで客をつかみ、ネタへの入り方も巧みだ。
粗忽な男と、行き倒れを監視している役人との掛け合いの「間」も良い。
熊が逡巡しながら自分の遺体を確認する姿も良く出来ていた。
全体として、このネタのシュールな感じが伝わっていた。
他の若手とはモノが違う。

馬石『幾代餅』
この日改めて感じたのだが、この人って「フラ」があるね。存在しているだけで、何となく可笑しい。
あまり緩急をつけずサラリと演じたのは、いかにもこの人らしい。
それでも面白さは伝わってきた。

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コメント

「動きが綺麗だし、声も良い」
四隅に投げ分ける制球力の柳朝、速球で押す一之輔、一朝門下繁栄中。
小痴楽。NHKで権太楼に厳しく指導されておりました(江戸弁はすっと流れるだけになるから気をつけろ!など)。
芸協の一華になりつつあります。

福様
今春真打に昇進する朝也改メ三朝も加わり、一朝門下はさらに繁栄となるでしょう。
小痴楽はリズムが良いし、セリフの間は天性だと思います。

宮治、文治、どちらも名前だけで拒否反応がでます。

佐平次様
宮治、文治、どちらも「垢抜けしない」のが共通点でしょうか。

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