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2017/03/29

春風亭三朝真打昇進披露興行in鈴本(2017/3/28)

鈴本演芸場3月下席夜の部「真打昇進披露興行」8日目
<  番組  >
三遊亭わん丈『寄合酒』
ダーク広和『奇術』
三遊亭金時『宗論』
すず風にゃん子・金魚『漫才』
柳家さん喬『子ほめ』
春風亭一朝『祇園会』
五明樓玉の輔『財前五郎』
鏡味仙三郎社中『太神楽』
鈴々舎馬風『漫談』
柳亭市馬『蝦蟇の油』
─仲入り─
『披露口上』高座下手より、司会の玉の輔、小朝、木久扇、三朝、一朝、馬風、市馬
林家あずみ『三味線漫談』
林家木久扇『林家彦六伝(抄)』
春風亭小朝『漫談』
林家正楽『紙切り』
朝也改メ
春風亭三朝『竹の水仙』

3月下席より鈴本演芸場をかわきりに、落語協会の新真打昇進披露興行が始まった。
今回5人が昇進したが、その中で以前から注目していて何度か高座を見ている朝也改メ春風亭三朝がトリをつとめる28日に出向く。
高座の奥には祝い幕、舞台の両袖には祝い酒のこも樽が並び華やかな雰囲気だ、ちなみに後ろ幕は前半は出身の中央大学の落研から、後半がAKB48の岡田奈々(三朝がファンとのこと)から。
三朝はNHK新人落語大賞をはじめいくつもの賞を受賞しており、期待も高いのだろう。そのことはこの日の出演者の顔ぶれや、披露口上にも表れていた。
通常の口上の他に木久扇は片岡千恵蔵と月形龍之介の物真似、市馬は相撲甚句、師匠の一朝は得意の笛を披露するなどサービス満点。

さて、その三朝が演じた『竹の水仙』について。
主人公の左甚五郎は京都から江戸に向かう途中の、名古屋の近くの鳴海宿の宿をとるという設定。竹の水仙を購入するのは細川越中守だった。
ストーリーはお馴染みのものだったが、いくつか課題を感じた。
先ず、甚五郎の描き方が気になった。当代一の名人といわれた甚五郎だから、単なる一文無しではなく自ずと風格が漂っていなければならない。三朝が演じる甚五郎は宿の亭主と同質に見えてしまう。竹の水仙の値段を聞かされてから、亭主は半信半疑ながら甚五郎を少しずつ敬うように気持ちが変わってゆく過程も描かれていない。
宿の女房の性格づけも不明瞭だ。
そのため、全体がひどく平板に感じてしまった。
この日の高座では、三朝の実力が発揮できていない様に思った。


その他の演者について、いくつか。

わん丈『寄合酒』、独自の工夫やクスグリが活きていた。皆が乾物屋から商品を盗んできたのに対し、鯛をくわえて逃げた犬が乾物屋の飼い犬だったというサゲは秀逸。

ダーク広和『奇術』、4重に巻いたロープの輪を客に切らせて、放り投げると1本になるというマジックはお見事。

金時『宗論』、この人は、あんな軽い芸だったかな。

一朝『祇園会』、師匠とはいえ、祭囃子の口真似はさすがだ。

玉の輔『財前五郎』、こういう軽い噺は合っているし、上手い。

市馬『蝦蟇の油』、啖呵売の口上に拍手が起きていたが、リズムには感心しなかったけどね。

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コメント

左甚五郎ものは難しいですね。平板になりがちです。
ご説のとおり、甚五郎という人物に対する理解と造形力が求められます。
さて、AKBの後ろ幕とは時代が変わりましたね。
同じファンである小朝の漫談とはそのへんに触れたものだったでしょうか。

投稿: 福 | 2017/03/30 07:03

福様
確かに甚五郎の造形は難しいのでしょう。『三井の大黒』ではおっとりとした、『ねずみ』では物分かりのいい、『竹の水仙』ではその中間辺りになりますか。セリフのスピードや言葉の強さ、相手との位置関係を考慮した工夫が要ります。
後ろ幕で岡田奈々の大きな瞳が客席を見つめていて、妙な感じでした。
小朝は今凝っている「観相学」を中心にした話題でした。

投稿: ほめ・く | 2017/03/30 09:28

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