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2017/03/27

「照ノ富士」の健闘にも拍手

今朝の新聞は稀勢の里の優勝一色だ。無理もない。ファン待望の日本出身の横綱が誕生し、しかも新横綱として22年ぶりとなる優勝だ。
13日目の日馬富士戦に敗れた時に負傷し、ケガをおしての強行出場。誰もが無理と思っていたところを逆転優勝したのだから、感動した人も多かったろう。
その陰で忘れられそうになった大関照ノ富士、最後はヒール役になってしまった感があるが、今場所を振り返れば彼の活躍が土俵を最後まで盛り上げてくれたのは間違いない。

照ノ富士は大関に昇進した当時は、いつ横綱になってもおかしくないと思われていた逸材だった。
ところが2015年秋場所、単独トップで迎えた13日目に稀勢の里に寄り倒しで敗れ、その際に右膝靱帯・半月板などを損傷する重傷を負った。その後、強行出場して連敗するが千秋楽で横綱鶴竜に勝ち、優勝決定戦へもつれ込んだ。決定戦では鶴竜に敗れ優勝を逃した。今場所の稀勢の里と似たようなケースだったわけだ。
次の場所からも休場することなく土俵をつとめたが、無理がたたって古傷の左膝を痛めたり、右鎖骨骨折の重傷を負うなどケガに悩まされ続けた。
ここ数場所は2桁大敗と、かど番8勝勝ち越しの繰り返し、「怪物」と呼ばれた面影を失くしていた。

照ノ富士の今場所の成績は13勝2敗の準優勝、2桁勝利はなんと9場所ぶりとなる。
13日目に日馬富士が稀勢の里を破り単独トップに立った。おそらくは兄弟子の応援と受け止めただろう。
ただ、終盤になってきて膝の状態は悪化しており、残り2日間をどう闘うかを悩んだに違いない。
14日目は大関に返り咲きを狙っていた琴奨菊との一番では、変化して勝った。このことで叩かれたが、変化は作戦の一つだ。稀勢の里も千秋楽の本割では変化していた。
この一番で、照ノ富士は立ち合いで相手につっかけた。これを見て、つっかけはフェントで、これは変化するなと思っていたら、その通りとなった。素人の私でも予想できたのだから、相手の琴奨菊だって頭に入れておくべきだった。
非難の声が強かったが、私は照ノ富士の優勝への執念を感じた。

千秋楽、相手の稀勢の里は負傷をおしての出場で、周囲を9分通り照ノ富士の優勝を予想していた。
本人としては、勝って当たり前というのは相当なプレッシャーだったに違いない。しかも、勝っても誰も称賛してくれない、そんな状況は辛い。
本割の最初の立ち合いで稀勢の里は右に変化した。照ノ富士はこの変化は頭にあったようで対応して四つに組んだ。そこで行司待ったがかかった。立ち合いが合わず不成立という判断だったようだ。私は、ここに勝負のアヤがあったように思う。
2回目の立ち合いでは稀勢の里は左に変化し、照ノ富士が寄り立ててくる所を右から突き落とした。この時、照ノ富士が膝からガクッと落ちるのを見て、そうとう膝が悪いのだろうと思った。
優勝決定戦で照ノ富士はもろ差しになって寄り立てが、土俵際で稀勢の里が右手で小手投げを打ち勝った。本来は照ノ富士は相手のまわしを引き付けて体を寄せて寄っていけば確実に勝てただろうが、勝負を焦って墓穴をほってしまった。

勝負が終わって照ノ富士、記者から相手は手負いの新横綱、やりづらさを問われると、「特にない。自分の問題です」と首を振り、「みんな目に見えないつらさがある。それを表に出すか、出さないかだけ」と語った。自身も古傷の両膝の状態が思わしくなかったのだ。
「ま、来場所頑張るだけです」と。最後は取組ですりむいた右膝を指さし、「やっと目に見えるけがになりましたね。目に見えることしか、やっぱり分からないね」と、笑顔で場所を後にしたとある。

両膝のケガと戦いながら場所をつとめる照ノ富士。今場所の成績が復活の足掛かりとなるか、来場所からの更なる活躍を期待しよう。

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コメント

照ノ富士が琴奨菊を交わしたのを悪く言い、稀勢の里の「変化」は不問にする。
私はバカだからそういうのが気に食わないのです。どっちも逃げてもいいんじゃないか、ケガをしてるんですから。

投稿: 佐平次 | 2017/03/28 13:47

佐平次様
それは稀勢の里や琴奨菊が日本人で、照ノ富士はモンゴル出身だという事が多分に影響していると思います。日本の国籍を取らないと親方になれない(白鵬で問題になっている)とか、前時代的なルールがまかり通っているのが相撲界の現状です。
照ノ富士がちょっと気の毒だと思ってこの記事を書きました。

投稿: ほめ・く | 2017/03/28 14:54

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