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2017/03/31

「納骨堂」が「幽霊ビル」に?

いま都心部で雨後のタケノコのごとく「納骨堂ビル」や「ビル型墓地」とよばれる建物がたてられているのをご存知だろうか。
その数は2000年には287棟だったのが2004年には387棟と急増しており、その大半は都心に建てられた。
理由は、次のようだ。
1.都内の墓地が高価格で、都立霊園で200万円、それも抽選では数倍の競争率だ。民間だと300万円以上する。とても庶民が簡単に手を出せる金額ではない。
2.少子高齢化により、墓の守り手がいなくなる。
そこで、10万円程度から高くとも150万円で永代供養してくれる納骨堂に人気が集まっている。
近い、安い、お手軽、を謳い文句に急成長しているのだ。

しかし、大きな問題がある。
多くの納骨堂では年間使用料が1基あたり数千円から1万円程度で、なかには最初の購入費のみで永代使用料がゼロというケースもある。
これでは建物やエレベーターなど機器のメンテナンス費用は到底まかなえないのだ。
ビルが老朽化し劣化が激しくなっても改修の費用はままならず、まして建て替え(ビルなので一定期間が過ぎれば建て替えが必要になる)など、不可能といってよい。
納骨堂を運営する宗教法人は永代供養を約束していても、将来にわたって誰が保証してくれるのだろうか。

月刊誌「選択」2017年3月号によれば、納骨堂ビルは宗教施設というより商業施設としての色合いが濃いようだ。
典型的な例として、デベロッパーやコンサル会社が寺と組んで、寺有地やワケアリの土地に納骨堂ビルを建て、十数億円単位で売りさばく。およそ3分の1が寺の取り分で、後はデベロッパーとコンサルの懐に入る。もちろん、建設を手掛けたゼネコンも利益があがる。
つまり全員がハッピーなのだ。
大金が転がり込んできた寺の住職は高級車を乗り回すなど贅沢三昧。しかし、寺には老朽化するビルと激減する収入という未来が待ち受けていて、まさに地獄に向かうわけだ。

そんな状況を見て、遂に東京都が動き出した。赤坂浄苑に対して固定資産税の納入を求めたのだ。寺側は宗教施設として非課税を主張し裁判になったが、東京地裁は「宗教団体として主たる目的のために使用しているとは認められない」として寺側の請求を棄却した。
当然の判決だ。
これからのビル型墓地の建設には、課税というリスクが加わることになる。
それもこれも、仏陀の教えに反して目先の金に目がくらみ拝金主義に陥った寺の住職らの罪である。

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