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2017/04/02

名作落語の夕べ(2017/4/1)

「第百七十五回にぎわい座 名作落語の夕べ」
日時:2017年4月01日(土)18時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
<  番組  >
前座・三遊亭まん坊『からぬけ』
三遊亭萬橘『代脈』
桂文治『親子酒』
~仲入り~
柳亭小痴楽『幇間腹』
入船亭扇遊『花見の仇討ち』

寒いですね。近所の公園の桜も咲こうか咲くまいか迷っている。
芸人は客を選べないというが、客もまた客を選べないのだ。この日のお隣りさんが噺家のマクラに声を発して反応する人で、「もぉ、やっだぁ!」が口癖。こっちの方が、もぉ、やっだぁ。
お気持ちは分かりますが、出来れば心の中でつぶやいて欲しいですね。

横浜にぎわい座では毎月1回「名作落語の夕べ」を開催しているが、主催者の説明によればこの4月からリニューアルしたとのこと。これからは作品本位の企画になるようだ。
出演者でいえば、二ツ目を入れたのは初の試みとのこと。

萬橘『代脈』、初登場とのことで客席の反応を計りかねていた。時々メガネをかけて客席を見回し、「居るんですよね」と確認していた。
何となく可笑しいというのがこの人の強みで、いつもの自虐ネタをマクラに振ってネタへ。
医師が免許制になったのは明治7年だそうで、それまでは医師のもとで修業すれば誰もが自由になれた。治療も「気」を重視していたので、抜けているが明るいギンナンの様な人物でも医師は務まったのかも。師匠も言ってたではないか、医者で大事なのは腕ではなく礼儀だと。
弟子は不出来なほど可愛いというのもギンナンには有利だ。
診察よりお茶うけの羊羹にこだわるギンナンのトボケタ味が出ていて、好演。

文治『親子酒』、客席は結構受けていたが、どうも感心しない。
師匠譲りのこのネタでは、親旦那が女房を相手に色んなことを言いながら酒を飲み続ける場面が見どころだが、長すぎてダレた。
この人の笑いを誘うような間の取り方は、好みの分かれる所だ。

小痴楽『幇間腹』、いい出来だった。もはや真打クラスと言っても可笑しくない。
若旦那が軽すぎるきらいはあったが、幇間の造形が良かった。お茶屋に来て店の人を片っ端からヨイショしながら、女中を口説くタイミングがいい。
座敷にあがってから、身体を斜めにして流し目で喋る姿は色気があるし、いかにも芸人らしい。
セリフの間の取り方は天性だろう。

扇遊『花見の仇討ち』、端正な高座スタイルがこの人の特長で、噺は全て本寸法。ネタが持っている本来の可笑しさで客を笑わせる力があるのが強味だ。
このネタの眼目は、多彩な登場人物が演じ分けられているかだ。例えば巡礼の二人、あるいは武士の二人、それぞれに個性があり、違いを演じ分けなければならない。こうした点をしっかり押さえている所が扇遊の優れた点だ。
浪人役の熊さんが、待てど暮らせど来ぬ仲間に、「あいつらと一緒にやって上手く行った試しがない。友達、変えようかな」の一言も効いていた。
茶番の仇討ちに武士が助太刀に現れて時の、熊や巡礼役たちの反応や表情変化も巧みで、上出来の高座。

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コメント

小痴楽『幇間腹』。最近、木久蔵の現代ギャグ満載のそれを聴き、ニンに合っていて笑いましたが、小痴楽のは本格派だったようですね。
セリフの間の取り方・・・
「芸者衆なんてェ呼ばないよ」このあたりでしょうか。
喬太郎や菊之丞が抜群に上手いと思いますが、身につけているとすればまさに大器です。

福様
このネタのポイントは幇間が幇間らしく描かれているかどうかです。その点、小痴楽は上手いと思いました。セリフの間については、幇間が一人で喋る場面で相手との呼吸を計ってセリフを言っています。この辺りは天性でしょう。

だんだんこらえ性がなくなって嫌いな噺家をがまんできなくなりました。
来月の落語研究会に文治が出るのです。
いっそ主任で出てくれればいいのになあ。

佐平次様
私の場合はプラスとマイナスを合算して、そこそこプラスになっていれば行こうというわけです。それでも嫌な時は目をつぶって寝てます。

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