ダフ屋行為(営利目的の転売行為)の禁止
国立劇場などのチケットをネットで購入する会員(NTJメンバー)に、下記のようなメールが送信されてきた。
【引用開始】
昨今、国立劇場・国立演芸場・国立能楽堂・国立文楽劇場の主催公演において、チケットの不正購入や営利目的の転売が疑われる事例が発生しています。
その対策として、インターネットでご購入いただいたチケットのお受け取り方法を以下のとおり変更いたします。
なお、国立劇場あぜくら会及び国立文楽劇場友の会会員としてご購入いただいたチケットは、今回の変更の対象ではございません。
■対象となるチケット
平成29年3月28日(火)午前6時以降にインターネットでご購入いただいたチケット
■対象となるお客様
NTJ会員のお客様(国立劇場あぜくら会及び国立文楽劇場友の会会員を除く)
■変更内容
インターネットでのご購入完了から72時間経過していないチケットにつきましては、自動発券機でのお受け取りができなくなります。
ただし、それより前にチケットをお受け取りになる場合には、決済にご利用いただいたクレジットカード(ペイジー決済の方はインターネットバンキングの取引明細やATM利用明細票等お支払いが確認できるもの)をご持参の上、チケット売場窓口でお受け取りください。
【引用終り】
いわゆる「ダフ屋行為」への対策として、「インターネットでの購入完了から72時間経過していないチケットは、自動発券機で受け取りができなくなる」というもの。
購入して直ちに転売しようとする者にはある程度の規制がかけられるが、「国立劇場あぜくら会及び国立文楽劇場友の会会員を除く」とされており、有効性には疑問もある。
行きたいと思っていたのにチケットが取れず、そのチケットがネットのサイトで転売されていると腹が立つ。
人気公演のチケットを購入し、高額で転売して利益を得る者が後を絶たない。
こうした転売目的のチケット購入は迷惑防止条例で禁止されていて、最近では逮捕者も出ているが氷山の一角だ。
東京都条例第103号
第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を称する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を称する物(以下「乗車券等」という。)を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興業場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。以下、公共の場所という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機、その他の公共の乗り物(以下、公共の乗り物という。)において、買い、またはうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラ又はその他の文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わって買おうとしてはならない。
この法律の前半部分によれば、「転売目的でチケットを買う行為」そのものが「ダフ屋行為」だと規定している。
しかし、購入している時点では転売目的かどうかは判断できないため、実際にはザル法になっている。
チケットを購入したが急に都合が悪くなり、他の希望者に有償で譲渡したいというケースもあり、これをも禁止するわけには行かない。
では、どうしたら「転売目的」だと見做せるだろう。
そこで提案だが、
正規料金を超える金額でチケットを不特定の者に転売した者は、転売目的で購入したと見做す
と規定したらどうだろうか。
「東京都迷惑防止条例」第二条に違反した場合は、以下のように罰則(抜粋)が取り決められている。
第八条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条の規定に違反した者
8 常習として第一項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
こうしたリスクを冒してまでダフ屋行為をする者は、いなくなるだろう。
もちろん、急に行けなくなってチケットを正規料金以下で譲渡する行為は、転売目的には当たらない。
ダフ屋行為を根絶するには、これ以外の方策はない気がするのだが。
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