安倍「首相」と「総裁」、使い分けの欺瞞
安倍晋三首相は5月8日の衆議院予算委員会で、国防軍の創設などを盛り込んだ自民党の憲法改正草案を取り下げるのかどうかを問われ、「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてあるので、熟読してもらってもいい」と述べた。
首相が国会答弁で、質問者に「新聞を読め」などと答えたのは前代未聞だ。
当の読売新聞であるが、この件で社説には次の様に書かれている。
”安倍首相は読売新聞とのインタビューで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語り、20年までの憲法改正・施行の実現に向けて意欲を示した。
憲法改正に前向きな勢力は、衆参両院で改正発議に必要な3分の2を超えているのに、肝心の両院憲法審査会での論議は停滞気味と言わざるを得ない。首相自らが、あえて改正の目標年を明示して、議論の活性化を図ったことは評価できよう。”
首相と読売の記者とのインタビューは予め首相官邸で行われていて、憲法記念日に掲載したものだ。
だから社説でも「首相自らが・・・」と書いている。
近ごろ、安倍首相や官邸、側近らが自らの見解を「機関紙」である読売や産経を通してアナウンスしているのは周知の事実だ。
今回の単独インタビューもその例にすぎない。
自らの発言を、これは「首相」あれは「総裁」と使い分けるのは明らかな欺瞞であり、議会軽視もはなはだしい。
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