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2017/07/06

国立演芸場・芸協新真打昇進披露(2017/7/5)

国立演芸場7月上席・中日

前座・笑福亭希光『平林』
<  番組  > 
笑福亭羽光『青菜』
笑福亭里光『猫と金魚』
北見伸『奇術』
三遊亭春馬『猿後家』
三笑亭夢太朗『たがや』
~仲入り~
『真打昇進披露口上』、下手より司会の里光、春馬、鯉昇、和光、鶴光、夢太朗
瀧川鯉昇『千早ふる』
笑福亭鶴光『ぜんざい公社』
ボンボンブラザース『太神楽曲芸]
笑福亭和光『七度狐』

国立の7月上席は落語芸術協会の新真打昇進披露興行で、その中日に。この日は二人の昇進者のうち、笑福亭和光の昇進を披露。
もっとも、5月から始まった昇進披露興行だけに、あまり新鮮さはない。
和光の芸歴は以下の通り。
平成14年2月 社会人生活を経て笑福亭鶴光に入門
平成14年7月 前座で「和光」となる
平成19年4月 二ツ目昇進
平成29年5月 真打昇進
前座名のままの真打昇進は珍しい。それだけ和光というのは良い名前だといえる。

師匠によれば、関東で生まれ育った上方落語家は極めて珍しいそうだ。師匠から見れば訛りのある関西弁で、それがまた味になっているとのこと。
上方の噺家が東京で興行を打つとき、前座や二つ目にしばしば鶴光門下の人を使う。従って、和光を含めこの日の一門の弟子たちも何度かお馴染みだ。
鶴光一門のように、上方落語を東京の寄席で演じるというのは、どんな気分だろうか。そのまま演じても、東京の観客にはいま一つピンとこない事もあるだろう。他の噺家とは異なった苦労があるのではないかと推察する。
この日もトリの和光以外の4人は、いずれも東西で演じているネタか、元々が東京のネタを選んでいた。

客席の入りは五分以下で、相変わらず良くない。顔づけからしても他の寄席に比べ遜色ないのだが、場所が悪いせいだろうか。
アタシは、ここはロビーで持参の昼食をゆっくり食べられるし、後方の席なら一列に一人だけといった贅沢が味わえるので好きだ。あんまり快適過ぎて、この日も居眠りをしてしまったが。

感想をいくつか。

春馬『猿後家』、顔が猿に似てるので、サルという言葉を聞くと途端にヒステリーを起こす大家の後家さんの噺だが、春馬の高座ではサルを連想するものもアウトとしていた。例えば「太鼓」
太鼓→太閤秀吉→猿
でアウト。こんな感じのギャグが一杯だった。
威勢のいい噺家だね。

夢太朗『たがや』、夏季の定番ネタ。たがやに立ち向かった殿様が、周囲の観衆から石をぶつけられ、その隙にたがやが槍の先を切り落とすという演じ方だった。両国橋の花火風景を描いていたら、もっと季節感が出たのでは。

鯉昇『千早ふる』、竜田川がモンゴルから来た相撲取りで、千早に振られてからモンゴルに帰国し豆腐屋になる。千早はウランバートルの金持ちの愛人になってモンゴルに来るのだが、捨てられて放浪の末、竜田川の店先に来てオカラを求めるという雄大な筋書き。果たしてモンゴルに豆腐屋があるのだろうか。30年以上前のエジプトのカイロにある日本料理屋に冷奴があったから、モンゴルにだってきっとあるさ。

鶴光『ぜんざい公社』、元々が上方ネタなせいか、上方落語で演じる方が面白い。かつて桂枝雀が弟子に鶴光の話芸をほめていたそうだが、言われるだけの技量がある。

和光『七度狐』、上方落語の「東の旅」の中でも、最も頻繁に演じられているネタで、米朝を始め名演が揃っている。東京でもこのタイトルで演じられている。和光の高座は、発端から尼寺つぶしまでを演じた。熱演だったが、ちょっと固かったか。ネタの面白さは十分に引き出していたと思う。

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コメント

大変ご無沙汰しておりましたが、以前書き込みをさせていただいた「なも」と申します。転勤族の最終ラウンドで栃木県におります。相変わらず、さかんにお芝居や寄席にいっていらっしゃるようで、うらやましく思います。

投稿: なも | 2017/07/06 20:42

なも様
ようこそ。当方は相変わらず芝居や寄席に通っています。私も現役時代は制約が多く、なかなか芸能を楽しむことが出来なかったのですが、そういう意味では今は幸せだと思っています。

投稿: ほめ・く | 2017/07/06 20:51

当方、一昨日の夜の部に行きました。やはり入りは五分以下で仲入りに出た寿輔が「場所がよくない。」と言っていました。
演目を参考までにお知らせいたします。
「前座」 狸鯉      鯉佐久
 ニューシネマパラダイス 羽光
 時うどん        里光
 奇術       北見伸&ステファニー
 たがや         柳之助
 親子酒         壽輔
 仲入り
 口上  (司会;遊雀 柳之助 里光 和光 
     談幸 壽輔)
 悋気の独楽       遊雀
 青菜          談幸
 曲芸         ボンボンブラザーズ
 寝床          和光
和光の寝床は、最後のサゲまででした。2日にトリをとった桃之助より聴きやすかったです。因みに口上は、壽輔が全部もってったというのが印象です。予定では香盤が一番下の里光が司会をするはずでしたが、師匠の鶴光が休演のため師匠の席に座れとのことで遊雀が司会をやってました。

投稿: ぱたぱた | 2017/07/09 15:46

ぱたぱた様
詳しい情報を有難うございます。7日の番組も、顔づけやネタも揃って充実していたようですね。入りの悪さはやはり場所でしょうか。本当は日本橋か神田辺りが良かったんでしょうが。

投稿: ほめ・く | 2017/07/09 18:11

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