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2017/08/28

#51三田落語会「権太楼・兼好 二人会」(2017/8/26昼)

第51回三田落語会昼席「柳家権太楼・三遊亭兼好」
日時:2017年8月26日(土)13時30分
会場:仏教伝道センタービル 8Fホール
<   番組   >
前座・橘家かな文『狸の札』
柳家権太楼『短命(長命)』
三遊亭兼好『大山詣り』
~仲入り~
三遊亭兼好『悋気の火の玉』
柳家権太楼『船徳』

久しぶりの三田落語会。この会は当日に次回の前売りを行うため、一度パスするとチケットが入手し難いのだ。

権太楼『短命(長命)』
マクラで池袋演芸場で演じた『幽霊の辻』を話題に。このネタ、途中から怪談噺風な展開になり、合わせて三味線の演奏が始まる。処が、その時のお囃子が新人だったので噺と三味線がチグハグになり、滅茶苦茶になってしまったという。これを高座で再現して見せていた。
本当は『青菜』を演るつもりだったが、前回、白酒が演じていたのでと『短命』に入る。
美人の女房を持つと亭主は短命になることを遠巻きに暗示する隠居と、これをなかなか察することができない男との会話。
ようやく理由が分かった男が、「じゃ、こういう風に・・・」と手真似すると、隠居が「ここは浅草演芸ホールじゃないんだから」とたしなめていた。

兼好『大山詣り』
高いテンションでマクラを語る。これはとても愉快だが、ネタに入るとテンションが下がるような気がする。
男二人が熊を丸坊主にする場面がやや長目でダレてしまった感がある。
一足先に戻った熊が長屋のお上さんたちを集める時、お上さんたちが不安を覚える様子を加えた方が、終盤に向けてより効果的なのでは。

兼好『悋気の火の玉』
軽いようだが、難しい噺なのだ。重要なのは正妻と妾の演じ分け。
片や大店の奥さんだから元は良い所の出だろう。妾の方はといえば吉原の花魁だ。この二人の女を対照的に描けるかどうかがポイントだが、どうやら兼好はこの辺りが苦手のようだ。
厳しいことを言うようだが、今の兼好の立場からすれば、より高いレベルが求められると思う。

権太楼『船徳』
前半はややあっさりと演じ、徳が二人の客を乗せて大川へ漕ぎだす所を中心に。
徳が失敗談を語る場面では、赤ん坊を負ぶったお上さんを乗せた船をひっくり返してしまったのだと。客がそれでどうなったかを訊くと徳は、「あっしはこの通り助かりました」。「お上さんの方はどうなったんだ?」と言うと、徳は「何しろ、自分のことが精一杯だったんで」。客の不安は募るばかり。
船が石垣に着いたら、通常は客の持っていた傘で石垣を突くのだが、この高座では二人の客が手で石垣を押すというのを二度繰り返していた。
1席目もそうだが、権太楼の演じる会話の間が絶妙で、当代落語界の第一人者としての実力を示していた。

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コメント

ご無沙汰しております。当方もこの会に行っておりました。年々整理券の出足が早くなっているようで、12時整理券配付の予定が10分繰り上がっていました。整理券の列に並ぶのに体力を使ってしまい、前半の2席は睡魔との戦いでした。
権太楼の短命はラジオでしか耳にしたことがなく、マクラを含めて新鮮でした。
兼好も悪くはなかったですが、権太楼が格の違いを見せつけたという印象でした。

ぱたぱた様
私も以前は良い席を取ろうと早くから並んでいましたが、仰るように開演前に体力を消耗してしまう気がして、今は開演に間に合う程度にゆっくりと家を出ることにしています。
兼好は決して悪い出来ではなかったですが、この会のレベルからすれば不満が残りました。

そうなんですよ、いったん足が遠のくとずっと行かなくなる落語会です。
権太楼は脂がのっていますね。
以前のあくどさもなくなって柔らかみが増してきました。

佐平次様
久々に行ってみて、やっぱりこの会は充実しているなと思いました。また暫く続けていこうかなと思います。

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