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2017/09/06

必見!文楽「玉藻前曦袂」(2017/9/5)

9月文楽公演第二部「玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)」
 清水寺の段
 道春館の段
 神泉苑の段
 廊下の段
 訴訟の段
 祈りの段
 化粧殺生石
日時:2017年9月5日(火)16時
会場:国立劇場 小劇場

落語の8代目春風亭柳枝が『王子の狐』のマクラでこの物語に触れているが、そのくらい良く知られた芝居なんだろう。
9月の文楽公演第二部は、「玉藻前曦袂」。
近松梅枝軒・佐川藤太の合作で、1806年(文化3)初演。
原作は天竺、唐土、日本にまたがるスケールの大きなものらしいが、今回はそのうちの日本編を上演。
ストーリー。
三国伝来の金毛九尾の狐伝説に、鳥羽院の兄・薄雲王子(うすぐものおうじ)の反逆を絡ませた構成になっている。
薄雲王子は弟から何とか帝位を奪おうと画策する一方、右大臣藤原道春の姉娘桂姫を妻に望むが退けられる。それに逆恨みして道春亡き後、鷲塚金藤次に命じて姫を討たせようとする。道春の後室萩の方は拾い子の桂姫に義理をたて、妹娘初花姫を差し出そうとするが、金藤次は桂姫の首を打ち、桂姫が自分の実の娘だったことを告げ、王子の悪計を白状して死ぬ。進んで犠牲になることを競って双六で勝負する桂姫・初花姫の哀れさ、萩の方の複雑な母性愛の表現、金藤次の「もどり」(悪から善に立ち返る表現)などが見どころの「道春館の段」が物語のクライマックスで、単独でも上演されている。
この後、初花姫は玉藻前となって入内し帝の寵愛を受けるが、金毛九尾の狐に殺され狐が玉藻前に化ける。
病気がちの帝に代わって薄雲王子が政務をとるが、愛妾の遊女への女色に溺れ政務に身が入らない。
そこに帝の病の平癒を祈祷するために訪れた安倍泰成によって玉藻前の正体が妖狐であることが暴かれ、同時に薄雲王子の悪事も露見してしまう。
那須野が原に逃げた妖狐は追手に討たれ、殺生石となる。

以上があらすじだが、舞台は愁嘆場あり口説きありチャリ場面ありに加えて、早替りから変身、おまけに宙乗りまであるという見所満載なのだ。
正に、ザッツ・エンターテイメント。
特に「化粧殺生石」では、座頭→在所娘→雷→いなせな男→夜鷹→女郎→奴に早替りで踊りを見せ、最後には玉藻前に変身した妖狐が十二単の姿で幕切れとなる。
それぞれの役の細かな動きが見もので、ここは人形遣いの桐竹勘十郎の奮闘公演の趣きだ。

4時間半を超える舞台は飽きることなく、私のような文楽のビギナーにはピッタリだった。
ということは、文楽が初めてという方にもきっと楽しんで貰えると思う。
見なきゃ損ですよ。

公演は18日まで。

一つ言い忘れていた。
玉藻前の正体が妖狐であることが暴かれる場面で、ふと小池百合子の顔が思い浮かんだ。
何故だろう?

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演劇」カテゴリの記事

コメント

昨日昼の部、生写朝顔話のほうを見てきました。
これもなかなか楽しかったですよ。
七変化は来週のお楽しみです。

佐平次様
そうですか、残念ですが今回は昼の部には行かれそうもありません。

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