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2017/09/08

「ワーニャ伯父さん」(2017/9/7マチネ)

SIS Company,Kera meets CHEKHOV vol.3/4「ワーニャ伯父さん」
日時:2017年9月7日(木)13時30分
会場:新国立劇場 小劇場 THE PIT

作:アントン・チェーホフ
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
<  キャスト  >
セレブリャコーフ(元大学教授):山崎一
エレーナ(若い後妻):宮沢りえ
ワーニャ(先妻の兄):段田安則
ソーニャ(先妻の娘):黒木華
ヴォイニーツカヤ夫人(ワーニャの母):立石涼子
テレーギン(隣人の没落貴族):小野武彦
アーストロフ(村の唯一の医師):横田栄司
マリーナ(乳母):水野あや
下男:遠山俊也
(ギター演奏:伏見蛍)

KERAさんのチェーホフ四大戯曲に挑戦するシリーズの第3作は「ワーニャ伯父さん」。
【あらすじ】
大学教授を引退したセレブリャコーフは、妻を亡くした後、年の離れた若い後妻エレーナを娶る。夫妻は都会暮らしに別れを告げ、先妻の親から受け継いだ田舎の屋敷に戻ってきた。
先妻の兄であるワーニャは、学者としてのセレブリャコーフ を長年崇拝し、彼の支えとなるために、25年にもわたって領地を切り盛りしながら、先妻の娘ソーニャ、 母ヴォイニーツカヤ夫人、隣人であった没落貴族テレーギンと共につましく暮らしてきた。
その一方、教授には毎年多額なお金を送金してきた。
しかし、ワーニャの目の前に現れたセレブリャコーフは、いつも体調も機嫌も悪く、尊大で身勝手な態度で人を困らせるただの年寄りだった。
その妻エレーナも、夫への不満と義理の娘との折り合いの悪さも手伝い、田舎暮らしに不安で憂鬱な日々を送っている。
屋敷には常に重苦しい空気が立ち込めるようになっていた。何よりもワーニャは、 人生の大半を捧げきた相手が、単なる俗物だった事実に虚しさと絶望を感じ、勤勉だった彼の生活は激変してしまう。事ある毎にセレブリャコーフに毒づき、母にたしなめられるが、その憤りは収まらない。
セレブリャコーフの具合が良くないと往診に来る医師アーストロフは、この村の唯一の医師として貧しい 農民への医療に従事する傍ら、森林の環境保護を訴えて、献身的な活動を続けてきた。
しかし彼もまた田舎暮らしに鬱積した思いを抱き、診療を放り出して屋敷に入り浸り、ワーニャと酒を酌み交わすことも多くなる。彼が屋敷に入り浸るもう一つの理由は、若い人妻エレーナへの恋慕だ。エレーナの方も彼には満更でない様子。
そしてワーニャもまたエレーナに対し熱い思いを抱いていた。しかし、エレーナに相手にされるはずもない。
一方、アーストロフを、ソーニャの熱い眼差しが追いかけるのだが、これもまた相手にもされない。
互いの心はすれ違い、それぞれの虚しい恋心だけが募っていく。
そんな中、セレブリャコーフが突然皆に、この領地の売却をしたいと告げた。
激怒したワーニャはセレブリャコーフにつかみかかり、発砲までするが幸い弾は外れる。
この騒動で夫妻はここを去る決心をし、医師のアーストロフも屋敷を出て行く。
元の生活に戻った形となったが、ワーニャは元教授への失望と、その妻エレーナへの失恋という二重の痛手の中で苦しむ。
彼の心情を察したソーニャは、ワーニャにそっと優しく「生きてゆきましょう、ワーニャ伯父さん・・・」と語りかけるのだ。

何か大きな事柄が起きるわけでもなく。物語としては淡々と進行する。
しかし、その時々の登場人物たちの心の動き、揺れ、そういった物が観客に静かに伝わる、そんな芝居だ。
特に幕切れの傷心のワーニャに対するソーニャの優しい言葉は素晴らしい。自らも傷ついていながら、叔父の心情に寄り添うソーニャの純真さには心が洗われる思いだ。
他の演出を見てないので何とも比較のしようがないのだが、KERAさんの手になるこの舞台はとても面白く出来ていた。

出演者では、やはり圧倒的にワーニャを演じた段田安則の演技が素晴らしい。この人は何を演らしても上手い。
純真で一途なソーニャを演じた黒木華の演技も良かった。器量が悪い娘という役柄だが、十分に美しい。
ワキでは、乳母役の水野あやの演技が目立った。いかにも19世紀末のロシアの地方に住む老女らしい雰囲気を醸し出していた。

公演は26日まで。

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コメント

良い顔付けですね。
特に 
黒木華さん   映画・ドラマで感嘆しました  映画 小さいおうち ドラマ 天皇の料理番 重版出来  みをつくし料理帖 

立石涼子さん   ドラマ 居酒屋ふじ(テレ東放送中) 

他の方は言わずもがな


さて、今月中席  新宿or池袋  の思案橋

身欠ニシンと昆布の煮物  冷奴etc and地酒(赤城山)で詠める

by 呑み助侍

PS  喜多八&春風亭鯉昇 の色紙を我が家で発見

蚤とり侍様
普段あまり映画やTVドラマを見ないもので、馴染みの人がいなかったのですが、黒木華の演技は良かったです。10代の娘の初々しさ、純真さは、十分に伝わりました。そえに彼女は美しいですね。私ならりえより華を選びます。

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