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2017/09/10

柳家権太楼・甚語楼親子会(2017/9/9)

「柳家権太楼・甚語楼親子会」
日時:2017年9月9日(土)14時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
<  番組  >
前座・柳家小多け『初天神』
柳家さん光『粗忽の釘』
柳家甚語楼『幾代餅』
~仲入り~
ボンボンブラザース『太神楽曲芸』
柳家権太楼『青菜』

又しても権ちゃん、ここのとこすっかり権太楼づいているが、この日の親子会のお目当ては甚語楼の方だった。

甚語楼『幾代餅』
2006年真打昇進、その当時はあまり注目していなかったが、最近メキメキと腕を上げていると見ている。
先ず声がいい。高くなく低くなく聞きやすい声だ。
顔がいい、落語家向きである。近ごやたらイケメンだどうだと騒ぐ向きがあるが、あれは所詮おんな子どもの世界。二枚目の顔というのは、噺家にとって疵になることもある。
客から見て、俺の方がまだましだなと思える程度で丁度いい。甚語楼はそういう顔をしている。
語り口が明解で、芸風が明るい。
このネタも人情噺風に演じる人もあるが、甚語楼は終始滑稽噺として演じていた。
清蔵が身分を明かし、それに感激した幾代が清蔵の妻になることを告げる場面では、もう少し情緒が欲しいという感もあった。
ただ、幾代の立場になってみれば、来年3月に年季が明けるというのに未だ身の振り方が定まっていなかったのだろう。そうした時に、自分に一途な男が現れた。誠実そうだし働き者のようだし、むしろ幾代にとっては渡りに船だったのかも。
そうして見ればこの話は美談でもなんでもなく、花魁の再就職の物語だ。
だから、カラッと演じるのも一つの演り方だと思う。

権太楼『青菜』
権太楼のこのネタは落語ファンにはお馴染みで、解説不要だろう。
昨日は2階席から見たのだが、改めて権太楼の芸風に感じたことがある。
先ず、よく動く。上半身を右に左に捻ったり傾けたり。美味そうな料理を目の前にした植木屋は、両手で顔を覆い感激を表現させる。
植木屋が柳陰が手酌で呑む時も、コップを演者の右膝近くに置いて酒をつぎ、徳利は左側の前方に戻す。
この様に一つ一つの動きが大きい上に、顔を筋肉も大きめに動かす。セリフを言う時に前に身を乗り出し首を傾ける。
観客は話芸とともに、こうした動きに気を取られ、権太楼の世界にはまって行く。
柳家権太楼としての確固たる芸風は、こうして確立していったんだなと。
植木屋夫婦を動物園のカバの檻の前で見合わせたのは「稲葉の旦那」だったが、して見るとさん喬だったか。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

>観客は話芸とともに、こうした動きに気を取られ、権太楼の世界にはまって
私もこの動きの激しさが彼の特徴だなと感じていました。うなづくのも大きくうなづいたり・・・
昔、小さんの弟子で後に自分の流派を立ち上げた落語家が、柳家の芸は基本としてやたらと動かないんで、オレみたいに動くのは例外で嫌がられる、と語っていました。

福様
権太楼の芸風は柳家の中では異端といえるかも知れませんが、敢えてこうした芸風を確立した努力は大いに評価されるべきでしょう。

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