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2017/09/27

落語協会真打昇進披露興行「古今亭志ん五」in鈴本(2017/9/26)

鈴本演芸場9月下席夜の部「真打昇進披露興行」・6日目
<  番組  >
三遊亭伊織『大安売り』
松旭斉美智・美登『奇術』
鈴々舎馬るこ『東北の宿(温泉旅館?)』
古今亭志ん輔『替り目』
ホームラン『漫才』
古今亭志ん橋『不精床』
鈴々舎馬風『漫談』
林家二楽『紙切り』お題は「出目金」「古今亭志ん五(先代と当代)」
三遊亭金馬『孝行糖』
─仲入り─
『披露口上』下手より司会の志ん輔、権太楼、金馬、志ん五、志ん橋、馬風、市馬
ストレート松浦『ジャグリング』
柳亭市馬『蝦蟇の油』
柳家権太楼『代書屋』
柳家小菊『粋曲』
志ん八改メ
二代目・古今亭志ん五『子は鎹(子別れ・下)』

寄席に出る芸人の中で嫌いな芸人というのが何人(組)かいる。顔づけにその名前を見ると、行くのをやめることもある。
この日でいうと「松旭斉美智・美登」だ。
あの高座からキャンディを客席に投げる(ラケットで打つ)というのが嫌なのだ。「捕ってよ」とか「落ちたら拾ってよ」なんて言われると、
乞食じゃねぇや!
と言い返したくなる。眼にでも当たったらケガする心配だってあるのに。
別に菓子だけではなく他の品物でも、高座や舞台から客にモノを投げ入れることに不快感があるのだ。
子どもの時から他人から品物を貰うのが嫌いだった。それは今でも変わらない。
「サービス・マジック」を楽しみにしている方もいるだろうが、こればかりは個人の好嫌の問題なので仕方ない。

これと反対なのが、小菊姐さん。
「もー、どうしましょー。ねぇ、フフ。」なんてやられると、ゾクゾクしてくる。
この身を捧げてもいいという気分になるが、向こうは「要らない!」って言うだろうね。
この日は代演だったが、小菊姐さんの唄が聴けただけでシアワセ。

漫才のホームランが相変わらず好調。このコンビ、ネタ合わせせずに全てアドリブではないかと思わせる芸だ。

馬るこ『東北の宿(温泉旅館?)』、どちらのタイトルだか分からないので、両方書いた。
筋は、三遊亭白鳥の「マキシム・ド・のん兵衛」の温泉旅館版といった所。女性客には、この日一番受けていた。

金馬が先代の十八番であり、亡くなった志ん五の持ちネタでもあった『孝行糖』を掛けてくれたのは嬉しい。
『披露口上』で、権太楼がこういう顔ぶれで祝福して貰えるのは幸せだと言っていたが、その通り。師匠と司会者以外は皆古今亭一門以外の人ばかりだ。新真打への期待とともに先代を弔う言葉もあり、良い披露口上だったと思う。

それ以外は、毎度お馴染みなので、もういいでしょ。

さて、志ん五『子は鎹(子別れ・下)』
今秋の真打昇進は3人で、いずれも何度か高座に接しているが、やはりこの人が一番期待度が高いので、この日に来ることにした。
先日、久しぶりに志ん五(当時は志ん八)の高座を聴いた、上手くなったなぁと思ったが、この日の高座も同じ感想を持った。
先ず、セリフの一つ一つ、仕草の一つ一つが丁寧だ。これはとても大切なことだ。
一緒に木場に向かう場面で、番頭が「また元の鞘に納まる気はないかね?」と問うた時の、熊の寂しげな中にはにかんだ様な表情を浮かべる所が良かった。
熊が倅の亀吉に3年ぶりに再会する場面では、亀吉の弾けるような表情も良かった。その笑顔を見て熊もきっと縁りを戻す気になったに違いない。
亀吉が父親の熊に会ったと聞いた時の母親の驚きと、その直ぐ後の期待感が表情に現れていた。彼女は心から熊が好きだったんだ。再婚する気になったのも母子家庭の辛さから逃れるというよりは、熊への愛情が決意させたのだろう。こうして見ていくと、この噺は親子の愛情の物語の様に見えるが、実は男女の機微を描いたものだと思う。
熊と亀が鰻屋の二階で食事しているのを、母親が階段の下から何度も逡巡しながら見上げる仕草を繰り返す場面も良く出来ていた。
これで親子3人、また仲良く暮らせると確信し、心から拍手を送りたくなった。
新真打のお披露目に相応しい立派な高座だった。
結構でした。

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コメント

ああ、観たかったなあ、その「子は鎹」。

投稿: 佐平次 | 2017/09/27 22:03

佐平次様
抑えた語りが効果的で、このネタで久々にグッときました。

投稿: ほめ・く | 2017/09/28 01:49

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