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2017/11/17

三代目桂小南襲名興行in国立(2017/11/16)

国立演芸場11月中席・6日目

前座・柳亭楽ちん『雑排』
<  番組  > 
山遊亭くま八『新聞記事』
三遊亭右左喜『銀婚旅行』
桂南なん『蜘蛛駕籠』
ぴろき『ウクレレ漫談』
笑福亭鶴光『紀州』
~仲入り~
『襲名披露口上』下手より司会の文治、金太郎、小南、南なん、右左喜、鶴光
桂文治『親子酒』
山遊亭金太郎『短命』
東京ボーイズ『ボーイズ』
桂小南『しじみ売り』

国立演芸場11月中席は「小南治改メ三代目桂小南襲名披露興行」、その6日目に出向く。小南の襲名興行には前から行こうと思っていたが、ようやく間に合った。
口上で鶴光が言っていたが、2代目小南は上方落語を東京の落語ファンに広めた最大の功労者だ。
それまでも東京の寄席で上方落語を演じていた人もいたが、先ず言葉が分りづらく、だから面白くなかった。
そこへいくと先代の小南の語る上方言葉はとても分かり易く、アタシなども初めて上方落語の面白さを知った。
それに何より落語が上手かった。特に『鋳掛屋』やこの日のトリネタだった『しじみ売り』など、子どもが出て来る噺は絶品だった。
以下、短い感想を。

前座の楽ちん、センスがありそう。

くま八『新聞記事』、最初に隠居が「竹さんが殺されたのを知ってるか」と言うセリフがあるが、あそこは「天ぷら屋の竹さんが・・・」にすべきでは。そうでないと後の「入った家が天ぷら屋だ」がピンと来ない。

右左喜『銀婚旅行』、初見。師匠の三遊亭円右作の様だ。結婚25周年を記念で、かつて新婚旅行で行った温泉を再び訪れた中年夫婦の物語だったが、途中で睡眠。

南なん『蜘蛛駕籠』、先代小南の弟子の中では、亡くなった文朝と南なんが、芸風が近いと思う。
本寸法の高座で人物の演じ分けも出来ていて、良い高座だった、
この人の技量からすれば、もっと世評が高くてもいいと思うのだが。

ぴろき『ウクレレ漫談』、以前は左程に思わなかったが、頭髪が薄くなってから味が出てきた気がして、好きになった。

鶴光『紀州』、マクラで8代目松鶴に誰がなるかという話題になる。候補は3人で、一番は惣領弟子の仁鶴だが高齢、次は二番弟子の鶴光、もう一人は鶴瓶だがとにかく落語が下手。こうなると、やはり本命は私かなと言っていた。冗談めかしていたが、案外本気かも。
典型的な地噺で、間に入るクスグリが見どころ。これを入れるタイミングと本筋に戻る間が絶妙で、楽しく聴かせていた。

『襲名披露口上』ももう国立になると馴れもあるし協会幹部も出てないしということで、緩い雰囲気。
3代目の襲名は本来ならもっと早く出来ただろうが、惣領弟子と2番弟子が落語協会に移籍してしまったという事情もあったのか。
末弟が襲名するというのは珍しいケースではなかろうか。

文治『親子酒』、この人の笑いを求める様な間の取り方が好きになれないが、この日のネタではそうした癖が出ていなかったようだ。つまみの塩辛に一手間掛けるあたりは、酒好きの演者ならではだ。

金太郎『短命』、このネタのキモは、隠居が若くて美しい女房を持つと亭主が短目になうことを遠回りに暗示するが、いつまでも相手の気付かずイライラする所だ。この点があっさりしていて、面白味がなかった。

東京ボーイズ『ボーイズ』、「高原の駅よさようなら」を当て振りで演じたが、かつて会社の宴会で得意にしていた同僚を思い出させる。

小南『しじみ売り』
結論から言うと、感心しなかった。
先代が得意としていたこのネタでは、雪の降る凍える様な江戸の町で、朝からしじみを天秤棒に担いで売り歩いたが商いにならず途方にくれ、一軒の大きな家の前でしじみを買って貰おうとしている少年の姿が目に浮かんだものだ。
そこが足りない。
当代の小南は独特の節回しで語るのだが、これがネタによっては邪魔になる。この噺も正にそうで、独特のリズムが噺の流れを悪くしている。このため、聞き手が感情移入できない。
「大きな声で、体がしじみ上がった」という地口オチも、このネタに相応しいとは思えない。

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コメント

宴会の芸、民謡の一つ覚えのへたくそやけくそな民謡を歌う男、調子っぱずれほど人気がありました。
カラオケなんて味気ないですね。

投稿: 佐平次 | 2017/11/18 12:21

佐平次様
宴会芸は民衆の伝統芸能だったと言えます。
尤も、宴会には付き物だった春歌は、下手すると今ではセクハラの対象になるでしょうけど。

投稿: ほめ・く | 2017/11/18 15:17

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