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2017/11/04

「落語協会新真打が勢揃い」in国立(2017/11/3)

国立演芸場11月上席夜席・3日目

前座・橘家門朗『雑排』
≪  番組  ≫
柳家花ごめ『からぬけ』
古今亭志ん陽『代書屋』
翁家勝丸『曲芸』
林家彦いち『掛声指南』
古今亭志ん八 改メ
二代目古今亭志ん五『狸札・賽』
- 仲入り -
『真打昇進襲名披露口上』下手より司会の志ん陽、志ん五、こみち、三木助、彦いち
青空一風・千風『漫才』
柳亭こみち『熊の皮』
柳家小菊『粋曲』
桂三木男 改メ
五代目桂三木助『宿屋の仇討』

国立演芸場11月上席は「落語協会真打昇進襲名披露興行」。
国立は金曜日だけ夜席がある。落協の真打披露は、通常は一人だけを対象にしているが、この席だけは新真打3人揃っての披露という趣向になっている。
後幕もそれぞれの出番毎に本人のものが掲げられていた。
一度で三度美味しい。
もう一つは、3人の師匠を始め偉い師匠方が出ないこと。この日の香盤の最高位が彦いちだ。新真打たちもいつもよりはリラックスしているようだった。
祝日ということもあって、ほぼ一杯の入り。

志ん陽『代書屋』
演じ方から権太楼の型と推測されるが、面白味は薄い。
この噺は、当時としてはインテリ層の代書屋と無筆の庶民との対比で、最初は庶民を見下していたインテリが、次第に庶民に振り回されていく姿が眼目だと思う。
志ん陽の高座では、どうも代書屋と無筆の男が等質に感じてしまうのだ。
同じクスグリでも権太楼と可笑しさが違うのは、その辺りだと思う。

勝丸『曲芸』
和傘クリスティを使っての鮮やかな芸。太神楽って一人でも出来るんだ。

彦いち『掛声指南』
タイ人が日本へきてボクシングのセコンドを務めるが、日本語が下手で首になり、歌舞伎町でアルバイトしながら日本語を上達させ、セコンドに復帰して褒められるというストーリー。
体育会系出身らしく力強い高座を見せていた。

志ん五『狸札・賽』
鈴本ではトリで人情噺を聞かせていたが、この日は軽い滑稽噺。
狸札で一度サゲた後、引き続き狸賽に入るサービス。
この人を見て感じるのは、佇まいや語りが落語家としてサマになっている。
当り前の様だが大事なことで、サマになってない落語家だって大勢いるのだ。

『真打昇進襲名披露口上』
通常と異なるのは、本人たちが口上を述べる。50日間の興行でこの日だけの企画だろう。
ここだけ撮影自由というオマケ付きで、多くの人がスマホを掲げていた。
口上というより座談会で、仲間内の内輪話などが披露されていた。
志ん五が先輩を差し置いて前の師匠の名を継ぐのは恐れ多いと言ったら、志ん橋が「いや、大した名じゃないから」と答えたそうだ。

一風・千風『漫才』
あまり面白くなかったが、東京の伝統的なスタイルの漫才で好感が持てる。

こみち『熊の皮』
11月17日の午後8時からの何とかいう番組に出るそうで、盛んに㏚していた。
女流の真打は増えてきたが、ママさん真打はこの人が初めてとのこと。夫も芸人で二児の母として高座に上がるというのは並大抵ではなかろう。
甚兵衛とそのおっかない女房、そして甚兵衛のことが大好きな医者、それぞれの演じ分けも良く出来ていた。何より気風のいい語りが心地よい。
『かっぽれ』を踊ったが、お見事!

小菊『粋曲』
・・・♡♡♡

三木助『宿屋の仇討』
元は上方の『宿屋仇』を東京に移したもので、現在演じられているのは大阪の二代目三木助から教わった三代目三木助が東京に移した型で、当代としても大事にしなくてはいけないネタなのだ。それだけに丁寧に演じて欲しい。
先ずその丁寧さに欠けていて、言葉のミスが目立つ。
早口というより語り急いでいる感じがした。
この噺は、宿の若い衆である伊八、侍の世話九郎、それに江戸っ子の3人連れの中でもリーダー格の源兵衛、それぞれの演じ分けが肝要。
三木助の高座はそれが不十分。

アタシは三代目と四代目三木助の高座を見ており、それだけにこの名には愛着がある。
厳しいことを言うようだが、この名跡を継いだからにはもっと高いレベルを目指して欲しい。

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コメント

眠れないままに枝雀の「代書」を聴いて真夜中なのに大笑いしました。
顔なんか見なくても爆笑、同時収録の「親子酒」もすごいなあ。
あれだけ明瞭な関西弁もすごい。

佐平次様
『代書』は枝雀が一番面白いでしすね。
ただ好みから言うと、3代目春団治なんです。墨をすりながら客の男を見下した様にせせら笑う。それが次第に客に振り回される描写が巧みです。

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