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2017/12/20

立花家橘之助襲名披露in国立(2017/12/19)

国立演芸場12月中席・9日目

前座・橘家門朗『雑排』
<  番組  >
三遊亭わん丈『一目上り』
桂やまと『近日息子』
五明樓玉の輔『紙入れ』
翁家社中『曲芸』
三遊亭歌之介『竜馬伝』
三遊亭歌司『小言念仏』
      ―仲入り―
『襲名披露口上』下手より司会の玉の輔、駒三、橘之助、歌司、正蔵
金原亭駒三『親子酒』
林家正蔵『ぞろぞろ』
三遊亭小円歌改メ
二代立花家橘之助『浮世節』+『舞踊・道成寺より手毬』

50日間連続の立花家橘之助襲名披露興行もこの日で49日目、四十九日だ。
平日の昼にも拘わらず9分の入りは、国立演芸場には珍しい。
この日ぼ顔ぶれを見ても、落語協会全体がこの襲名をバックアップしている姿勢が窺えるし、それが客席にも反映しているのだと思う。

そこで思い出したのが、先日の「三代目桂小南襲名」の入りの悪さだ。
襲名興行にも拘わらず、芸術協会の役員クラスの出演はゼロだった。これでは組織としてに体を成していないと言われても仕方がなかろう。
国立の12月上席は芸協の芝居だったが、トリと仲入りの名を見て、この二人の数か月前の手抜き高座が頭に浮かび、行かなかった。
どっちかはちゃんと演れよ、と言いたい。先代の名が泣くぜ。
落語協会の芝居では、まずこう言うことは起きない。
これだから芸協はダメなんだ。
所属する人たち個々には優れた芸人も多いのだが、要は協会幹部の姿勢、指導に帰するのだと思う。

話が横道にそれたが、いつもの通り短い感想を。

わん丈『一目上り』、マクラがこの日の客にやたら受けていた。ネタはソツなくまとめる。

やまと『近日息子』、トリで橘之助の相方となって見事な囃子を披露していた。橘之助の披露公演の成功にはこの人の腕が欠かせなかった。ご苦労さま。

玉の輔『紙入れ』、いつもの様に軽くか~るく。浅い出番でホッと一息させる役割で、寄席にはなくてはならぬひと。

歌之介『竜馬伝』、この人が登場すると場内の雰囲気がガラリと変わる。得意のギャグ盛り沢山の地噺。真打になった時に師匠から名前をなににしたいかと訊かれたが、今なら即座に「圓歌です」と言えたのに、と言いながら扇子で額をポンと叩く。半分は本気かな。

歌司『小言念仏』、マクラで師匠の思い出をたっぷり語る。生前、最後に師匠から受けた言葉が「お前も老けたな」だったとか。このネタの小言部分については演者によって異なるが、歌司の高座では3代目金馬を踏襲していたようだ。

『襲名披露口上』では、この襲名を誰よりも待ち焦がれたいたのは師匠の圓歌だったと言う。50日間の興行が全て昼席だったのも、圓歌のためにスケジュールだったとか。「住吉踊り」のリーダーである駒三が、若手の踊りの稽古はみな橘之助が付けてくれたと言っていた。
音曲の芸人が減っているという点も話題にのぼっていたが、アタシもかねがね心配していた問題だ。理想的には「三味線+唄+踊り+トーク+色気」だが、なかなか養成するのが大変だろう。

駒三『親子酒』、もしかして初か。正攻法の高座という印象。

正蔵『ぞろぞろ』、神様が出雲で遊び呆けているうちに浅草にある稲荷が寂れてしまったとか、茶店の婆さんの代わりに幼い娘を登場させるなど、少し変わったストーリーにしていたが、ただ長くてつまらないというのが率直な感想だ。

橘之助『浮世節』
解説によれば、浮世節と言うのは音曲の様々なジャンルの良い所を寄せ集めたものとか。それだけに芸達者が求められることになる。
小圓歌時代は『三味線漫談』だったから、芸の種類が変わるわけだ。これはとても勇気のいることだし、それだけの意気込みがあるということだ。
3曲弾いたが、やはり圧巻は『たぬき』で、時間も長ければ中身も濃い。襲名に備えて恐らくは血の滲むような稽古を重ねたのだろう。
久々に音曲で感動した。
サービスの踊りは国立だからと言って特別に、落語の『稽古屋』にも出て来る道成寺から手毬を踊ったが、これもまた実に結構。流し目が色っぽく、ちょっとゾクッとしましたね。

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コメント

歌之介、圓歌を継ぐそうです。
正蔵「ぞろぞろ」そうでしたか、私はこの噺が大好きです。
常田富士男に「坊やよいこだ、寝んねしな」という歌の後に語らせたいくらい・・・

福様
そうですか、やはり歌之介ですか。2代目も3代目も新作で人気を得てましたから、順当なのかも知れません。
『ぞろぞろ』私も好きですが、但し先代の正蔵です。当代は下手です。

>国立だからと言って特別に
浅草でも見ましたよ^^。
不思議なもので真打になるとオーラがありましたね。

佐平次様
さては橘之助、あちらこちらで同じ事を言ってましたか。
襲名を機に、確かにワンステップ上がったなと思いました。

橘之助の演目は、踊りも含めて私が行った池袋と同じだと思います。
ほめ・くさんの、橘之助の評価が高くて、私も嬉しい限りです。
三味線漫談の小円歌から、浮世節の橘之助に、大きく飛躍する襲名になったと思います。
歌司の口上は、良いですね。
歌之介が、円歌ですか・・・・・・。
また、披露目には行くことになるんだろうなぁ。

小言幸兵衛様
橘之助は先ほど鈴本で見たばかりですが、やはり襲名前とはだいぶ感じが変わってきました。
この襲名は成功だったと思います。

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