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2017/12/07

小満ん夜会with小朝(2017/12/6)

「小満ん夜会」
日時:2017年12月6日(水)18:45
会場:月島社会教育会館
<  番組  >
前座・春風亭一猿『一目上り』
柳家小満ん『大神宮の女郎買い』
春風亭小朝『好色成道』
~仲入り~
柳家小満ん『三井の大黒』

会場の月島社会教育会館は初。地下鉄の月島駅の10番出口の直ぐ横にある。今回のゲストは小朝だが、小朝目当ての客は少なかったようだ。

小満ん『大神宮の女郎買い』
かつて浅草雷門脇に、磯辺大神宮があった。
近くにあった茶店では、連日のように吉原通いの連中が女郎買いの噂話。
大神宮がこれを聞き、女郎買いというのはよほど面白いものに違いないと、行ってみたくてたまらなくなった。
一人で行くのも何だからと、通りかかった門跡さま(阿弥陀如来)を誘って吉原へ向かう。
適当な見世に上がり、芸者幇間を揚げてどんちゃん騒ぎ。宜しい所でお引け。
明くる朝、若い衆が勘定書きを持って、いかにも旦那然としている門跡さまの前に差し出す。
「恐れ入りますが、昨夜のお勤め(=勘定)を願いたいので」
「お勤め」というので門跡さま、合掌してから「では、やりますよ。ナムアミダブ・・・」
「これはどうも、ではお払いを願います」
「お祓(はら)いなら、大神宮さまへ行きなさい」でサゲ。
神仏習合だった江戸期の物語で、当時の浅草や吉原の風景が描かれていた。
初めて聴いたが、初代圓遊の作で、これまた初代小せんが得意としていたようだ。
現在は小満んぐらいしか演じ手がいないのだろうか。
小満んの粋な語りがよく似合っていた。

小朝『好色成道』
いつもの軽口のマクラかrた入る。通常の寄席や独演会とは客席の反応が違う。
相変わらず他愛ない内容だったが、
・神社の参拝の作法で二礼二拍とか言われているが、江戸期まではてんでんばらばらだったのを、明治になって今の様に定めた。だから古来からの伝統ではない。
・皇族の女性の名前に「子」を付けるのは、始めを表す「一」と終わりを表す「了」の組合せ、つまり嫁いだら最後まで添い遂げるという意味からだ。
といおう蘊蓄が参考になったか。
こういう会なので、珍しい噺をと言って本題へ。
ネタの『好色成道』は菊池寛の小説を小朝が落語にしたもの。
「色ヲ好ミテ道ヲ成ス」という意味なのだろうか。
怠慢な生活を送ってきた比叡山の若い学僧が、嵯峨に参詣した帰りに道に迷い泊めて貰った宿の主が凄い美女。
出家の身であることも忘れて女と契りたくなってしまい、寝所に忍ぶと「勉強して法華経を暗唱出来るようになれば、望みを叶えてあげる」と言われる。
学僧はそれから一心不乱の法華経を学び、暗唱出来るようになって再び彼女の元を訪れる。
すると今度は、「契りを結ぶからには出世して僧都になって下さい。そうすれば願いを叶えてあげる」と言われ、これまた一生懸命に学問に励み僧都になって、三度彼女の元を訪れる。
そうすると女は、法華経の中の色々な用語の意味を質問してくる。
「方便即真実」とは何かとか、そうした問いに必死に答えるうちに、相手の女と契ろうとする気が失せてくる。
そこで僧侶はようやく気付くのだ。
これは仏が自分を導いてくれていたんだと。
一羽の鶯が庭でで鳴き、「ホウ、ホケキョ」でサゲ。
好きな女性とメイクラブしたいばかりに、男が懸命に励みに励み、やがて学を成して出世するという普遍的なストーリーと言える。
お堅い話を小朝らしく軽快に語り、楽しませてくれた。

小満ん『三井の大黒』
物語は毎度お馴染みだが、小満んの高座を聴いて思ったのは、このネタのキモは江戸っ子の、特に棟梁の政五郎の、江戸っ子としての「粋」と「意気」が表現出来るかどうかにあるということ。
「意気」はともかく「粋」の表現となると、やはり現役では小満んという事になろう。
3代目三木助を彷彿とさせるような、素晴らしい高座だった。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

若い頃、菊池寛の小説や戯曲を読んで落語になるな、と感じたことがありました。
だれか、落語化し得る作品の宝庫、漱石文学にチャレンジしてくれないかな。
それこそ小満んの出番で、「三四郎外伝」「こころ(青春の懺悔)」なんて期待してしまいます。

投稿: 福 | 2017/12/08 06:57

福様
小朝は菊池寛の小説の落語化をシリーズで手掛けていて、もう15作は超えていると思います。
漱石ですか? 難しそうですね。
それより鴎外や龍之介、潤一郎らの作品の方が落語にし易いでしょう。
海外ならオー・ヘンリー、アラン・ポー辺りは簡単に落語になりそうです。

投稿: ほめ・く | 2017/12/08 07:30

そうか、漱石は猫、坊ちゃんなど、落語につきすぎていますかね。
芥川なら「ひょっとこ」。すがれた語り口で聴きたいもんです。

投稿: 福 | 2017/12/09 07:49

福様
漱石ですと『夢十夜』が最も落語にし易いかと思います。
龍之介の場合は、大半が日本や中国の古典を題材にしていますので、どれでも落語に出来そうな気がします。

投稿: ほめ・く | 2017/12/09 09:42

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