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2017/12/09

神田松之丞with遊雀(2017/12/8)

「松之丞、遊雀師の胸を借りる」
日時:2017年12月8日(金)19時
会場:深川江戸資料館 小劇場
<  番組  >
前座と二人の対談に次いで
神田松之丞『宮本武蔵』
三遊亭遊雀『文七元結』
~仲入り~
神田松之丞『小猿七之助』

講談に人気が出てきたようだ。火をつけたのは神田松之丞と言って良いだろう。
大衆芸能の盛衰は女性客が握っている。その女性客のハートを射止めたのが松之丞だ。
男前だし声が良くって愛嬌がある。こっちから見れば気障が和服を着ているように映るが、あの風情が女性たちには堪らないんだろう。
戦前から戦中にかけて忠君愛国をテーマにした講談が持てはやされたが、その反動が戦後にきた。GHQの方針で仇討ものが禁止されたこともあり、戦後は人気を失った。
それでも戦後直ぐには戦前の名人上手が健在だったのと、貞山の『四谷怪談』に人気が集まっていたので、しばらくはその地位を保っていたが、そうした講釈師が亡くなっていくと、長い低迷期に入ってしまった。
新たなファンを開拓していければ、若手の女流に上手い人が出て来ているので、講談の人気が定着していく可能性があるだろう。

この日の松之亟の講談と、ゲストの遊雀の落語のネタの共通点は「身投げ」。
落語の方は身投げを助け、講談の方は身投げを殺す。
対照的な二席である。

松之丞『宮本武蔵』
最初から最後まで大声で読み続け、張り扇を叩きまくるというスタイルだが、これが受けたんだから世の中面白い。

遊雀『文七元結』
マクラ抜きの長講は50分を超える熱演。
・本所達磨横町、左官の長兵衛宅
・吉原・佐野槌の女将の座敷
・吾妻橋、橋上
・日本橋横山町三丁目の鼈甲問屋、近江屋卯兵衛宅
・再び本所達磨横町、左官の長兵衛宅
の五場を、それぞれ間然とすることなく演じきった技量は大したものだ。
見せ場の吾妻橋、橋上でもヤリトリはでは、長兵衛はとにかく文七の命を助けたい一心で50両の金を投げつけて逃げてゆく演じ方で、長兵衛の真っ直ぐな心、江戸っ子の心意気を感じさせた。
感情が盛り上がってきた所でフッと抜いて笑いを誘う間が絶妙。
芸協に遊雀あり、である。

松之丞『小猿七之助』
5代目神田伯龍が得意としていた演目で、これにほれ込んだ談志が落語にし、弟子にお談春に受け継がれている。
懇談の世界では6代目以後に継承者が無かったとのこで、松之亟によると5代目の速記や録音を元に再現したとのこと。
ストーリーは。
すばしこい身のこいなしから小猿の異名をとる船頭の七之助。一人船頭に一人芸者はご法度の屋根船に、芸者・お滝の頼みで大川を遡っていた。
永代橋に差し掛かるとドカンボコンの身投げ。
船に助け上げればさる坂問屋の手代。集金の30両をいかさま博打で取られてしまい、主人への申し訳のために身を投げたと。
そこで七之助が、そのいかさまの胴元は誰かかと訊けば、深川相川町の網打ちの「七蔵」だと。
その七蔵こそ、七之助の父親だ。このまま放置しておけば、父親がお縄になる。
そう考えた七之助は。この手代を再び川の中に落としてしまう。
だが、狭い船中のこと、きっとお滝に見られたに違いないと思った七之助はいきなり船をぐるりと回し、中州に船をつけてお滝を引きずり出し匕首で殺害しようとするが・・・。
ネタ下ろしの地域寄席では受けて、国立演芸場では蹴られたとのことだったが、この日の観客の反応は良かった。
この人の読み、世話物向きかも知れない。

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コメント

これも楽しそうな会でした。
小満んと言いこれといい、もう少しよく深く見つけて歩かないといけないかな。

佐平次様
ここの所当りを引いているようです。
こいつぁ春から・・・、と行きますかどうか。

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