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2018/01/31

八代目正蔵三十七回忌追善落語会(2018/1/29)

「八代目正蔵三十七回忌追善落語会」
日時:2018年1月29日(月)18:45
会場:日本橋社会教育会館ホール
<  番組  >
春風亭正朝「蔵前駕籠」
桂藤兵衛「竹の水仙」
~仲入り~
八光亭春輔「一眼国」
春風亭一朝「明烏」

1月29日は8代目林家正蔵(彦六)の37回目の祥月命日にあたる。一朝はこの日、正蔵の墓参りを済ませてから会場入りしたとのこと。
4人の出演者のうち、春輔と藤兵衛は正蔵の直弟子だが、一朝と正朝は先代柳朝の弟子だから孫弟子ということになる。
林家の亭号を名乗る人のいない一門会だ。

正朝「蔵前駕籠」
持ち時間が25分ということで、マクラ以外にもネタに入ってからいくつかのエピソードを織り込みながらの高座だったが、ダレ気味だった。
このネタはマクラを入れても15分程度のもので、無駄に時間を延ばすと流れに水をさす。
こうした落語会の出演者には持ち時間が与えられている様だが、客が欲しいのは時間ではなく中身だ。
この日の公演時間は約2時間40分だったが、もっと短縮して良かったのではなかろうか。
主催者に一考を望みたい。

藤兵衛「竹の水仙」
5代目小さんの十八番で、現役の人も小さんの型で演じるケースが多いが、藤兵衛の「竹の水仙」はいくつか違いがあった。
宿の主人が元は奉公人で、8年前に婿に入ったという設定だ。主になってからの
営業成績が悪いらしく、女房から叱られてばかりいる。この事を泊り客(左甚五郎)が再三揶揄する。ちょいと嫌味な甚五郎だ。
細川の殿様が買い上げた竹の水仙の値は500両。それまで甚五郎にボロ呼ばわりしていた主に対し、女房がノミで刺されるかも知れないと脅す。主の腰ひもの先に長い紐を結わえて、亭主が危なくなったら拍手し、それを合図に紐を引くという約束にする。
主から500両を受け取った甚五郎は、怒るどころか500両をそっくり主に渡す。喜んだ主は思わず手を打ってしまったので、女房が紐を引いて主は階段を転げ落ちるで、サゲ。
藤兵衛の堅実な語りが、可笑しさの中にこんも噺に風格を与えていた。

春輔「一眼国」
マクラで正蔵と夫人のマキさんとも馴れ初めが紹介された。マキさんの母親というのが厳しい人で、二ツ目分際に嫁にはやれぬ、真打になったら結婚を許すという。それで一念発起して、三遊亭圓楽で真打昇進して目出度くマキさんを娶った。「でも、それほどの女じゃなかったよ」と正蔵は言っていたそうだが、これはきっと照れだったんだろうと、
さて本題にはいると、マクラの向こう両国の見世物小屋風景からネタに。
噺のリズム、声の強弱から息遣いまで、正蔵を彷彿とさせる高座だった。
改めて思ったのは、この噺は正蔵独特の唄い調子がピタリと嵌る。これを忠実に再現できるのは春輔だけかも知れない。
サービスで、これも正蔵が得意としていた「ステテコ踊り」を披露したが、これがまた実に結構。

一朝「明烏」
一朝には珍しく雑な印象の高座だった。
セリフを飛ばしたり言い間違えたりとミスが目立ち、この日ばかりはあまり「一朝懸命」とは行かなかったようだ。

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コメント

>林家の亭号を名乗る人のいない一門会
痛烈な皮肉?
一朝は墓参り疲れでしょうか(精神的に)。

佐平次様
林家の本家はすっかり蛯名家に持っていかれましたから。あれは落語界にとって不幸でした。
一朝は言葉がすっと出て来なかったりと、少し心配でした。

彦六師・おはよう名人会(落語研究会)て演った、五人廻しが良かった記憶があります。
鰍沢を掛けて欲しかったですな。

蚤とり侍様
ご指摘の通りで、もっと彦六由縁のネタを選んで欲しかったです。
『文七元結』『紫檀楼古木』『火事息子』『普段の袴』など、色々あったでしょうに。

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