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2018/01/09

「圧力」が「暴発」を生んだ戦前日本の教訓

米国トランプと北朝鮮金正恩との詰り合いはエスカレートする一方で、それも「お前のかあちゃん出べそ」級の低俗ぶりは世間の顰蹙をかっている。
それが言葉の応酬で済んでいるうちは良いのだが、なにせ二人とも核のボタンを握っているのだから、穏やかではない。

現在、世界の核保有国は北朝鮮とイスラエルを加えれば9ヶ国になる。
ただ、第二次世界大戦後に実際の戦闘で核兵器が使用されたことは一度もない。だから核兵器は使えない兵器とも言われてきた。
核兵器を使用した場合の被害に大きさもさることながら、使用した国は国際的な非難を浴びて孤立するのが避けられないからだ。
通常では使用できないとすれば、恐れるのは「暴発」だ。
追い詰められて自暴自棄になり「暴発」して核兵器を使用する、これが最も怖い。
米国と日本政府は相変わらず北への圧力を強化することの一辺倒だが、過去を振り返れば圧力が暴発を生んだ歴史がある。
他ならぬ、戦前の日本だ。

1941年
7月26日 日本の在米資産凍結
8月1日 石油・ガソリンの対日輸出全面禁止
9月6日 御前会議で天皇は「10月下旬を目途とし戦争準備を完整す」を裁可
10月16日 近衛内閣総辞職
直ちに東条英機を総理とする大命を下す
11月2日 天皇は東条に「戦争の大義名分」を考えるよう命令
11月5日 天皇は「米国との交渉は12月1日深夜をもって打ち切る」を裁可
11月27日 中国とインドシナからの完全撤退を求める「ハル・ノート」が到着
東条はこれを大本営政府連絡会議で米国からの「最後通牒」と報告
機動部隊が択捉からハワイへ向けて出発
天皇の裁可を受けて山本五十六連合艦隊司令長官は真珠湾作戦命令を発す
12月8日 対米開戦

日本はアメリカに勝つ見込みもないまま、戦争は始めても終結させる見通しのないまま、「暴発」 して対米戦争に突入した。
米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、北との武力衝突が近隣諸国にどれだけの被害、惨事をもたらすかを分析し、北がソウルと東京を核攻撃した場合、最大で死者が210万人、負傷者が770万人に及ぶと見ている。
考えるだに身の毛のよだつような予測だが、こうした攻撃を確実に防ぐ方策はないのが現実だ。
米国と北朝鮮の無益な脅しあいをやめさせ、追い詰められた北朝鮮が「暴発」せぬよう知恵を絞るのが、我が国のとるべき道ではなかろうか。

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コメント

油を絶たれて『聖戦』に立ちあがった日本が北ならそうしないで降参すると考えているのは、日本だけが特別にアホな国だったと考える「自虐主義」ではないかな^^。

佐平次様
ミサイルの射程圏内にある日本や韓国と、今のところ圏外にいる米国とは自ずから立場が異なります。当然、外交方針も違ってくるわけです。
日本にしか出来ない役割もある筈なのに、そうした視点が欠けているように思います。

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