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2018/02/21

小満ん夜会(2018/2/20)

「小満ん夜会」
日時:2018年2月20日(火)18:45
会場:日本橋社会教育会館ホール
<  番組  >
前座・春風亭一花『やかん』
柳家小満ん『うどん屋』
三笑亭茶楽『芝浜』
~仲入り~
柳家小満ん『雪とん』

ゲストに茶楽を迎えた2月20日の「小満ん夜会」、入りは4分程度。
前から3列目辺りの方々はお互いに知り合いが多いようで、開演まで楽しそうにおしゃべりしていた。
古典を受け継ぐとよく言われるが、どう受け継ぐかという答えは簡単ではない。
先人の演じ方をそのまま真似ているだけは進歩がなく、かと言って下手に手を加えると元のネタを壊しかねない。
そうした匙加減が演者の腕の見せ所だ。

小満ん『うどん屋』
マクラで一般の江戸っ子は蕎麦食いで、うどんはあまり好まなかったと言っていた。それでも寒い夜は江戸っ子も暖かいうどんを食べていたのだろう。
冒頭の「な~べや~きうどん~」の売り声が良い。ひと調子高く大声なのは、屋内にいる客が聞こえるように。
悪気はないが商売には何とも迷惑な客は、『蜘蛛駕籠』のそれと双璧だ。しかもこちらの客はうどんを食わないばかりか、雑煮を勧めるうどん屋に「バカヤロウ」と罵声を浴びせるだけ性質(たち)が悪い。
店の奉公人らしき客に対して、旨ければ他の奉公人からも注文があると期待の表情を浮かべうどんを煮るのだが、それが1杯だけになりうどん屋の落胆の表情。「うどん屋さ~ん」と呼び止められた時には期待を込めた明るい表情、「うどん屋さんも風邪ひいてるの?」で再び落胆の表情と、こうした目まぐるしい表情変化を小満んは見せ場にしていた。

茶楽『芝浜』
いつの頃からか『芝浜』は大ネタ扱いになってしまった。登場人物は魚屋夫婦二人で、ストーリーも大きな展開がない。落語としては小品なのだ。
昨日実際に経験したことを、翌日に「お前さん、あれは夢だったのよ」と言われて納得する人間なんていますか? いないでしょう。
それをあれこれ工夫をしてリアリティを持たせたり、さも大ネタの様にこねくり回して演じる最近の傾向は感心しない。
ここは3代目三木助ばり、茶楽の様に小品として演じるのが正解だ。
魚勝が早朝に魚河岸に行くのを嫌がると、女房から「お得意さんを他人に奪われて、それでも悔しくないのかい」と言われて思い直して出かけるのは説得力があった。
大晦日に女房が全てを打ち明け、それを魚勝は受け容れ感謝する場面は、こちらも聴いていてホッとした。
この人は上手い。

小満ん『雪とん』
マクラで「鏡代」という小咄を披露。ある男が町娘に恋煩い。見かねた人が反物を買って娘に仕立てを頼み、その時に付け文をするよう勧め、男はその通りにする。暫くして仕立てた着物が届らられるがぞんざいな仕上がり、でも袂に文が入っていた。男が開けてみると中は小銭に「鏡代」としてあった。
考えオチで、この金で鏡を買って己の顔を映してみなさいというナゾだ。
落語に出てくる男の恋煩いといのは大体が恋が叶うものが多いのだが、この演目の田舎の若旦那はすんでの所でお祭り佐七という男に、トンビに油揚げをさらわれてしまう。
間違って呼び込まれた佐七に娘は一目ぼれ、夜が遅くなったので泊まることになった佐七の寝間に、娘は夜着のまま現れお休みの挨拶に訪れる。これじゃ猫に鰹節、心得た佐七が親指を人差し指で娘の着物の裾をつまんで引くと、娘は「アレ~」と言いながら佐七の膝の上に崩れ落ちる。
なんだ、二人とも下心アリアリじゃん。
小満んの描く佐七の颯爽とした色男ぶりで、この展開も納得。

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コメント

聴きたかったな、ことしは落語研究会をやめてこういうのを増やすつもりです。

投稿: 佐平次 | 2018/02/22 11:12

佐平次様
『雪とん』は以前から小満んが最もニンだと思っていましたが、やはり予想通りでした。
茶楽の高座も結構でした。

投稿: ほめ・く | 2018/02/22 11:34

拝見し、久し振りに茶楽も聴きたくなりました。
小満んの『雪とん』も、いいですよね。

なお、Excite Blogは、昨日SSL化の作業を行っていたので、アクセスやコメントに影響があったかもしれません。
URLが、httpからhttpsに替わっています。

投稿: 小言幸兵衛 | 2018/02/22 15:14

小言幸兵衛
貴ブログへのコメント投稿の件、ご連絡頂き有難うございます。
この会は入りがやや寂しかったのですが、中身は充実していました。

投稿: ほめ・く | 2018/02/22 21:41

>先人の演じ方をそのまま真似ているだけは進歩がなく、かと言って下手に手を加えると
ジャズにもそのままあてはまります。今の若手は技術的に優れているんですが。
小満んは先代文楽の芸に傾倒して入門、しかし、芸風は随分と異なりますね。
文楽は上っ調子といえるほど陽気な語りですが、弟子は実に渋く語ります。

投稿: 福 | 2018/02/23 06:56

福様
小満んの芸風は確かに先代文楽とは異なりますが、芸の艶、粋といった点は師匠の影響を感じます。

投稿: ほめ・く | 2018/02/23 11:48

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