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2018/02/10

池袋演芸場2月上席・昼(2018/2/9)

池袋演芸場2月上席昼の部・9日目

前座・春風亭与いち『たらちね』
<  番組  >
春風亭朝之助『だくだく』
春風亭三朝『短命』
伊藤夢葉『奇術』
橘家蔵之助『相撲風景』
桂文雀『死ぬなら今』
青空一風・千風『漫才』
春風亭一之輔『普段の袴』
柳家さん生『お見立て』
鏡味仙三郎社中『太神楽』
柳家さん喬『棒鱈』
-お仲入りー
春風亭柳朝『武助馬』
柳家権太楼『宗論』
林家正楽『紙切り』
春風亭一朝『天災』

池袋演芸場2月上席昼の部は落語協会の芝居で、師匠の一朝と門下の一番弟子から三番弟子までが顔を揃えた。これに権太楼とさん喬がスケという豪華版。
3連休を控えた平日の昼だったが、会場は満席だった。

与いち『たらちね』
一之輔の2番弟子で、前座になったばかり。近ごろの入門者は達者なのが多いが、これが上手くなるかどうかはまた別もの。

朝之助『だくだく』
所作の一つ一つが丁寧でキレイに見える。泥棒の手つきが宜しい。

三朝『短命』
このネタ、以前に聴いた時よりスッキリと演じていた。
一朝門下は人材が揃ってる。

蔵之助『相撲風景』
古典落語が続くので、ここは息抜きの高座。
蔵之助が落語と大相撲には共通点があると言っていたが、それは階級制だけではない。もっと基本的なことで、両方ともに「古典芸能」だ。
今どき、選手は全員がチョンマゲを結って、審判である行司は神主みたいな恰好で競技を行う。その行司たちも選手たちと同じ部屋に所属している。そんなものが純粋なスポーツであるわけがない。あれは半分がショーなのだ。
それを国技だの神事だの公益だのと言うからおかしくなる。
先日のTVで貴乃花親方のインタビューが放映されていたが、まるで喋りが新興宗教の教祖だね。どこまでが事実か分からないし、相撲協会や評議会なんてぇものはみんな嘘っぱちだらけだ。
だから、まともに相手にせず放っておくのが一番だ。

文雀『死ぬなら今』
ご存知、8代目正蔵の得意ネタ。
オリジナルでは父親の棺桶に息子がニセ小判を入れておいたので、父親は知らずに地獄で閻魔大王以下に小判を渡し、彼らが通貨偽造の罪で牢屋に入れられるという筋だ。
文雀は少し変えていて、小判は本物なので閻魔大王以下の地獄の幹部たちが収賄で極楽の特捜部に捕まり牢屋に入るというもの。
いずれも、だから「死ぬなら今」というサゲになる。
『地獄八景』のクスグリをとりいれて面白く聴かせていた。

一風・千風『漫才』
牛や豚の部位のネタだけでは苦しいかな。

一之輔『普段の袴』
手慣れたネタとはいえ、相変わらず上手いもんだ。

さん生『お見立て』
手持ちのCDで、権太楼がマクラでかつて池袋演芸場で客が一人の時があり、高座に上がった紙切りの先代正楽が苦労していたというエピソードを喋っていた。
さん生も今日の入りを見て、一昔前とは隔世の感があると言っていた。
このネタ、だいぶ端折っていたがそれでもこの時間で演じるのは無理があった。熱演だったのに、勿体なかった。

さん喬『棒鱈』
師匠譲りの高座で、江戸っ子と薩摩の田舎侍との対比が面白く描かれていた。
余談だが、アタシの子どもの頃に母親が、薩摩の男は男色が多いから気をつけると言っていた。どうも昔から、江戸っ子と薩長は相性が悪いらしい。

柳朝『武助馬』
歌舞伎役者の娘さんである師匠のお上さんのエピソードをマクラに、ネタへ。
羽織の脱ぎ方一つ見ても、動きがキレイだ。
語りにもう少し抑揚が欲しい所だが、どうだろうか。

権太楼『宗論』
咳き込んだりして体調が悪そうだったが、それでも客席を沸かせていたのは、さすが。途中から童謡に変わる讃美歌を気持ち良さそうに歌っていた。

正楽『紙切り』
お題は「パンダ」「雛あられ」「美女楽団」。美女楽団では、端に将軍様の顔が。

一朝『天災』
主人公の八五郎はやたら乱暴者の江戸っ子だが、どこか愛嬌があって憎めない人物だ。こういう人間を描かせたら、一朝は当代一だろう。
心学の先生にすっかり感化されて、長屋で騒動を起こした男の所でトンチンカンな説教をする所が実に可笑しい。
充実の番組を締めくくるに相応しいトリの高座だった。

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コメント

『宗論』は違う日には柳朝が演ったそうです。権師はそれに触発されて、というわけでしょうか。「ご信仰の関係でお気にさわることなどありましたら」と断って始めるヒトもいます。

投稿: 福 | 2018/02/11 07:53

これも豪華版でしたね。
これだけ聴くと夜の部になだれ込むなんてエネルギーが失せます。

投稿: 佐平次 | 2018/02/11 08:45

福様
8日目は柳朝が演じたようですね。
噺出て来るクリスチャンの息子は相当に戯画化されていますが、これも落語の事ですから。

投稿: ほめ・く | 2018/02/11 09:38

佐平次様
権太楼の讃美歌は「慈しみ深き」から途中で唱歌の「里の秋」に変わるものでした。同じメロディですね。
昼の部でおなかが一杯でした。

投稿: ほめ・く | 2018/02/11 09:41

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