イプセン「ヘッダ・ガブラー」(2018/4/18)
SIS Company「ヘッダ・ガブラー」
日時:2018年4月18日(水)18時30分
会場:Bunkamuraシアターコクーン
脚本:ヘンリック・イプセン
翻訳:徐賀世子
演出:栗山民也
< キャスト >
寺島しのぶ/ヘッダ・テスマン(ガブラー)、ガブラー将軍の娘
小日向文世/イェルゲン・テスマン、ヘッダの夫、学者
佐藤直子/ミス・テスマン、イェルゲンの叔母
水野美紀/エルヴステード夫人、ヘッダの友人、レェーヴボルクを恋い慕う
池田成志/レェーヴボルク、ヘッダの元カレ、イェルゲンとはライバルの学者
段田安則/ブラック判事、テスマン夫妻の共通の友人、ヘッダにソノ気ありあり
福井裕子/テスマン家のメイド
【あらすじ】
高名なガブラー将軍の娘で美しく気位が高いヘッダは、キラ星のごとき男の中から将来性があると踏んだ学者イェルゲン・テスマンを夫として選び、結婚する。
ところが夫は学問にばかり夢中で、死ぬほど退屈な男。
そこへ、ヘッダの元カレで、ヘッダが銃を突き付けてまでして関係を断った男、レェーヴボルクが突然現れる。
以前は身を持ち崩していたが、今ではエルヴステード夫人の手助けによって立ち直り、学者として実績を上げつつあった。
一方、エルヴステード夫人は恋しいレェーヴボルクを追って家を捨て、彼を追いかけてくる。
テスマン家で再会を喜び合う二人に、ヘッダは嫉妬の心を燃え上がらせる。テスマン夫妻の知り合いであるブラック判事によれば、次の教授にはレェーヴボルクが有力だという。そうなれば、ヘッダの人生計画も狂ってしまう。
ヘッダはレェーヴボルクを再び堕落の道へ落とすべく計画を練り、成功するかに見えたが・・・。
時代は19世紀。家庭に不満を持っているが、ヘッダは自立する気もない。かと言って、友人のエルヴステード夫人の様に、好きな人のためなら家も家族も投げ出してといった行動に出るわけでもない。
もっとも19世紀という時代の制約の中では、女性の自立は極めて困難だっただろうが。
人を見くだし、自分より恵まれたと思う人間に嫉妬を募らせ、相手の足を引っ張るだけの人生。
最後は破滅の道に進むのは当然だろう。
しかし、ヘッダの心境というのは、21世紀に生きる人々にも、共感が得られる部分はあるだろう。
この芝居は、人間の愛欲、嫉妬、打算といった普遍的な問題をテーマにしており、そこが現代人にも受け容れられるのだと思うj。
出演者では、寺島しのぶの存在感、演技力が舞台を圧倒していた。やはりDNAか、舞台映えする。
他の共演者もそれぞれいい味を出していた。
小日向文世がフサフサのカツラをかぶると、あんなに若く見えるんだね。オレも髪を真っ黒に染めてみようかしら。息子より若く見られたりしてね、フフ。
公演は30日まで。
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