国立演芸場4月中席・楽日
前座・春風亭べん橋『たらちね』
< 番組 >
桂夏丸『つる』
桂枝太郎『茶の湯』
桂竹丸『漫談』
Wモアモア『漫才』
瀧川鯉昇『粗忽の釘』
~仲入り~
コントD51『コント』
桂文治『源平盛衰記』
桧山うめ吉『俗曲』
三遊亭小遊三『厩火事』
ここんとこ国立に行ってないなと思い立ち、そういえば今日は中席の楽日だと、今朝早く残席を調べたら2席、それも前方の通路側という良席だった。おそらくキャンセルが出たんだろう。これぞ行けという天の啓示と受け止め、座席確保して出かける。
会場に着いた時は満員御礼の札が下がっていた。
初顔の人、久々の人、お馴染みの人、色々だった。
夏丸『つる』
初見。入門16年でこの5月にようやく真打昇進とのこと。他の人より昇進までが長くなったようだが、見方によってはその分力を蓄えたともいえる。
喋りはいいし、声もいいし、シュっとしている。唄が上手いので、目指せ芸協の市馬!
枝太郎『茶の湯』
枝太郎というと、スマートなスタイルの先代(インテリの枝太郎)を思い出してしまうが、当代は対照的だ。
今は地方出身者の東京落語家が多いが、通常は訛りを消して東京弁でしゃべる訓練をする。
この人は(多分)敢えて東北訛り(岩手県出身)を残したまま演じている。このギャップと、ちょっと間を外したようなクスグリを入れるのが特徴。
茶杓で茶をすくう時、「安倍さんと一緒で底が浅いとすくいにくい」。
浅い出番でこのネタを手際よくノーカットで演じて見せた。
竹丸『漫談』
何とかいうタイトルを付けていたが、中身はマクラや小咄を並べたような漫談。
この日の様に古典が並ぶときは、こうした息抜きの高座も必要。
サービスの「かっぽれ」が実に結構だった。寄席の踊りというのは上手けりゃ良いってもんじゃない。重要なのは愛嬌。この人の踊りはその手本だ。
Wモアモア『漫才』
オッチャン風なボケと企業の管理職風なツッコミとのコンビで、かみ合わないヤリトリが特長のベテラン漫才。
最前列の年配客(米丸より年上とのこと)から手土産を渡されていた。ファンは有り難い。
鯉昇『粗忽の釘』
女房が、箒を掛けるから釘を打ってと言われて長い瓦釘を打ってしまうというのがオリジナルだが、箒なら軽いものだから、そんなに長いのは必要ない。鯉昇はそう考えたんだろう、一時期はエキスパンダーを使っていたが、ここ最近は飛びきり重いロザリオにしている。
男が隣に行くのを間違えてお向かいの家に行ってしまうが、ふり向くと女房が恐い顔をして手招きしているので間違えに気付くという演りかたも独特。
いつもの様に気怠いマクラから、終いは熱演というお馴染みパターンで、仲入り。
コントD51『コント』
このコンビの、くどくてワザとらしい演技が好きじゃないので、睡眠タイム。
文治『源平盛衰記』
今日も絶対コレだと思っていたら、やっぱりコレ。その日の客のレベルを見てネタを選ぶっていうのは、ウソだね。
うめ吉『俗曲』
音曲の芸人としては声が細くて小さいというのが弱点。
(失礼ながら)お年の割に可憐な印象を受ける所が強味。
地毛で日本髪を結う貴重な存在。
小遊三『厩火事』
次官のあれはセクハラじゃなくて色ボケでしょうと言っていたが、未だ色ボケってぇ年じゃないしね。
10歳も年下の亭主は仕事もしないで家でゴロゴロ。おまけに髪結いで稼いでいる女房をしり目に昼間っから牛肉で一杯。こんな男のどこがいいんだと言いたくなるが、そこはそれ、夫婦にしか分からない事があるのだ。
だからこのネタはかなりエロチックなのだが、そこを程よく見せるのが腕の見せどころ。
小遊三も程よく見せて終演。
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