フォト
2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

« 皇室とネガティブキャンペーン | トップページ | イプセン「ヘッダ・ガブラー」(2018/4/18) »

2018/04/17

意味不明な番組『超入門!落語 THE MOVIE』

先日、たまたまTVをつけていたら、NHKで『超入門!落語 THE MOVIE』という番組をやっていた。昼間だったので再放送だったのだろう。
名前は聞いたことがあるので、どんなものかと見てみた。
三遊亭兼好『親子酒』と柳家喬太郎『初音の鼓』の2席で、いずれも短縮版だった。
落語家がしゃべり出すと場面が切り替わり、俳優が口演に合わせて口パクと演技で物語を演じるというのもの。

何でこんな番組を考案したのか、意味不明だ。
落語の特長、良さというのは、演者の口演を聴いて、観客の一人一人が自分の頭の中で場面を想像し、解釈してゆくことにある。
10人が聴けば、10人の頭の中では別の場面が浮かび、10人それぞれが物語を紡いでゆく。
演者が違えば、同じ噺でも客の受け止め方が異なる。客が違えば、高座での演じ方も変わる。そういう芸能だ。
演者の声の高低、強弱、緩急、息づかい、そして何より「間」。身体全体から指先にいたるまでの動き、顔の表情変化、時として目の動き一つで場面全体を表現することもある。
それが落語というものだ。
それを「絵」にして見せるなんざぁ、愚の骨頂。もはや落語とは全く別物。入門にもなにもなりゃしない。

解説によれば、聴衆の側に聞くためのスキルを要する落語、とかなんとか言ってるようだが、冗談いっちゃいけねぇ。
落語を聴くのにスキルなんざぁ要らない。スキルを磨いてから落語をなんて、聞いたことがない。
日本語さえ分かれば、誰でも理解できる。
ただ、面白いと思うか、興味を惹かれるかは、人それぞれだ。

いずれにしろ、公共放送で制作するようなシロモノじゃないね。

« 皇室とネガティブキャンペーン | トップページ | イプセン「ヘッダ・ガブラー」(2018/4/18) »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

普及のための一策、でしょうか。
圓蔵は「落語家は噺で絵を描いていく」と発言していました。

福様
バラエティ番組と称してますから、そう目くじらを立てることもないのでしょうが。
あれを落語だと思われたら困ります。

恐れながら申し上げます。私は一般的な?落語ファンですが 落語ザムービーも楽しくみておりました。落語家の口跡によくあのように合わせられるな~と感心しつつ。あれで本物の落語に興味をもった友人もいます。
異端、邪道かもしれませんが 寛大なお心でお見逃しくださいませ。

春様
ようこそ。
こんなバカな記事を書くのは私ぐらいなものでしょうから、こちらこそ寛大な心でお見逃しのほどを。

恐れ入ります
突然に大変失礼いたしました
これからも楽しみに読ませていただきます

芝浜や文七元結を歌舞伎や芝居でやるのとは違いますな。
野暮と言えば野暮です、が、メーキングで噺家さんが楽しそうに現場を見学している映像は笑えました。

猫の蚤ぃ~取りましょ~

春様
独断と偏見が売り物ですが、宜しければご贔屓のほどを。

蚤とり侍様
今回の皆さんからのコメントで感じたんですが、私は普段TVやラジオの落語番組をほとんど見たこと聴いたことが無いんです。落語ってぇのはライブが全てだと信じていますので、その辺りのギャプがある様な気がします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 皇室とネガティブキャンペーン | トップページ | イプセン「ヘッダ・ガブラー」(2018/4/18) »