フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

« 柳家喬太郎奮闘公演の「たいこどんどん」(2018/5/9) | トップページ | 花形演芸会(2018/5/12) »

2018/05/12

桃月庵白酒独演会(2018/5/11)

第4回文京春日亭「桃月庵白酒独演会Ⅱ」
日時:2018年5月11日(金)19時
会場:文京シビックホール 小ホール
<  番組  >
開口一番・桃月庵あられ『道灌』
桃月庵白酒『鰻屋(素人鰻)』
桃月庵白酒『粗忽長屋』
~仲入り~
桃月庵白酒『厩火事』

稀勢の里の5月場所休場が発表された。同部屋の高安も休場だ。稀勢の里の休場は7場所連続となる。これじゃ「一年を休んで暮らす良い男」になっちまう。
ケガは仕方ない。だけど稽古の姿を見ても、先ず身体ができてない。ダブダブだ。あれじゃ本場所以前の問題だ。田子の浦親方は一体どういう指導をしているんだろう。相撲が取れるだけの体力作りもせず、ただダラダラと出場を先延ばしにしているとしたら、横綱失格である。
と、急にこんなことを書いたのは、白酒を見て連想したからだ。
客席は満員、人気があるんだね。

あられ『道灌』
まだ見習いだろうか。年の割にひねてる。

白酒『鰻屋(素人鰻)』
持ち時間の関係か、最近のトピックスを話題にした長めのマクラから本題へ。
『素人鰻』というと名人文楽の極め付けが思い浮かぶが、こちらは志ん生が得意としていた方で、寄席でもお馴染みの別題『鰻屋』。
新しく開店した鰻屋に行った男、2階で呑んでいても出るものは香香だけ。聞けば鰻職人がいま不在で蒲焼が出せないので、今日は無料にすると言う。
この男、またくだんの鰻屋の前を通るとちょうど鰻職人が店を出たところ。そこでタダ酒を飲もうと友人を誘って再び鰻屋へ。
今日はどうしても鰻を食いたいというので、仕方なく店の主人が鰻を掴もうとするが、指の間をするりと抜けて行く。鰻を追いかけて店の外に出て行く主人。
「どこへ行くんだ?」「前に回って鰻に聞いてくれ」でサゲ。
白酒の最大の特徴は、独特のセリフの「間」と切り返しで、このネタでは鰻屋の主人と男との間のヤリトリに活かしていた。
指先を使った鰻の動きが見せ場。

白酒『粗忽長屋』
マクラで池袋駅近くの要町に芸人が多く住んでいると言っていた。江戸時代から似たような業種の人がひとっところに住んでいたわけで、近ごろのマンションやアパートでも同様のことが言えるだろう。
お馴染みのネタだが、ここに登場する二人の男は粗忽というよりは、自分と他人の区別がつかないという究極のアイデンティティの喪失者だ。これが二人揃ってるんだから、もう無敵だね。
白酒の演じ方は、最初の行き倒れを見つけた男が、お前の死体だと言って熊を連れて来るのだが、よく見たら熊ではなく自分だったという設定。ここまで来るともはや病膏肓。
行き倒れの立ち合い人も、呆れるよりは寧ろ事態の推移を楽しんでいた。

白酒『厩火事』
夫婦喧嘩の末に仲人の所に来たお崎さん。今日という今日は愛想が尽きたから亭主と別れると言い出し、仲人もその方がいいと賛成する。
するとお崎さんは態度を一変、喧嘩の後に亭主はいつも優しくしてくれるとノロケまで言いだす。推察するにこの亭主は「床上手」なのだ、この仲人はちと察しが悪い。
まあ、このお崎さんという人物も風変わりで、白馬が焼け死んだと聞くと、馬肉を皆で食べたのかと訊くし、麹町の奥方が皿を抱えたまま階段から滑り落ちた時に主が「皿はどうした、皿は大丈夫か、皿皿皿皿・・・・と、息もつかせず36ぺん言った」と聞くと、誰が数を数えたんですかと聞き返す。
「問題はそこじゃない、そういう風だから亭主と喧嘩になるんじゃないか」とお崎さん、仲人から窘められるのもゴモットモ。
白酒の描くお崎さんは、ちょっとピンボケでそそっかしいが、とても可愛い女性だ。そこは良く出ていた。

« 柳家喬太郎奮闘公演の「たいこどんどん」(2018/5/9) | トップページ | 花形演芸会(2018/5/12) »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

稀勢の里ですが、いつぞや歌武蔵があそこを痛めたら相撲はとても無理、元力士のわっしがいうんだから間違いない、って言ってました。
高安の四股名の由来は、円高ドル安っていうのもそのときだったでしょうか。
さて、白酒「粗忽長屋」の「よく見たら熊ではなく自分だったという設定」。
これはよくある無用の改作ではなく、噺の本領を外していないので、よしとすることができるのでは?

福様
『粗忽長屋』には色々なバリエーションがあり、談志は主人公の男が主観が強すぎると『主観長屋』で演じていました。白酒の演じ方では、熊が冷静で、主人公の方は主観的でかつアイデンティティも喪失しているという設定になるのでしょう。
やはり極めつけは先代小さんです。

みっつ、がんばる白酒に拍手。

佐平次様
白酒は独演会では通常3席演じます。若手の頃から続けており、この点は感心です。

私もこの会に行っておりました。3席やって終演が20時46分頃だったので、その点が大満足でした。白酒の会はいつも終演時間が遅くならないので助かります。

ばたばた様
独演会は3席演って2時間以内に終える。これは他の演者も見習って欲しいですね。
だいぶ以前になりますが、喬太郎の独演会で、喬太郎ー前座ー喬太郎ー仲入りー喬太郎で3席というのもありました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 柳家喬太郎奮闘公演の「たいこどんどん」(2018/5/9) | トップページ | 花形演芸会(2018/5/12) »