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2018/05/10

柳家喬太郎奮闘公演の「たいこどんどん」(2018/5/9)

こまつ座「たいこどんどん」
日時:2018年5月9日(水)13時
会場:紀伊國屋サザンシアター

脚本:井上ひさし
演出:ラサール石井
<  キャスト  >
柳家喬太郎:幇間・桃八
江端英久:若旦那・清之助
あめくみちこ:女郎・袖ヶ浦、他
武者真由:女郎・藤ノ浦、他
新良エツ子:女郎・里ノ浦、他
野添義弘:主人、他
有薗芳記:ひげ侍、他
木村靖司:あばた侍、他
小林美江:魚婆、他
俵木藤汰:片目侍、他
森山栄治:駕籠かき。他
酒井瞳:お篠、他

井上ひさし作「たいこどんどん」は、2011年5月にシアターコクーンで上演された
演出:蜷川幸雄
中村橋之助(当時):若旦那・清之助
古田新太:幇間・桃八
鈴木京香:女郎・袖ヶ浦、他
のキャストの舞台を観ていた。
それで今回の公演にはあまり食指が動かなかったのだが、10日ほど前にふと新聞を読んでいたら、喬太郎が主演とあった。それではどんな芝居になるんだろうかと興味を持ち、観劇した次第。
本作品は、井上が直木賞受賞後の第一作として書いた小説「江戸の夕立ち」を1975年にみずから戯曲化したもの。
以下、あらすじは当時の記事より引用。

【あらすじ】
時代は幕末。
江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、幇間(たいこもち)・桃八が、品川の女郎屋で隣席の薩摩のイモ侍と揉め事をおこし、あわやの時に海へドボン。
危ういところを東周りの千石船に拾われる。
着いたところは陸中釜石。
そこから江戸に戻る予定が、行く先々で清之助がトラブルに巻き込まれ、それを桃八の機転で何とか乗り切る。
そんな繰り返しをしているうちに、東北から北陸までグルリと、まるで「奥の細道」のようなコースをたどることになってしまう。
時に清之助からひどい仕打ちを受け、離れ離れになる時があっても、桃八は若旦那に尽くし続ける。
だって、タイコモチだもん。
9年にわたる遍歴の果てに慶応4年8月、ようやく江戸に戻った二人を待ち受けていたものは・・・。

幕が上がるとメクリに「柳家喬太郎」、出囃子の「まかしょ」が鳴り、喬太郎が登場してこの戯曲のイントロを語る。
終幕には再び喬太郎が高座姿で登場し、シメの一言を語る。
カーテンコールでは、「たいこどんどん音頭」を唄い踊りながら、喬太郎が最後に舞台をおりる。
今回の演出は、喬太郎の高座の中の芝居として「たいこどんどん」が演じられるという趣向のようで、これが2011年の蜷川演出との決定的な違いだ。
いうなれば、「柳家喬太郎座長公演」といった趣きだった。

芝居全体としては、いかにも井上ひさしの初期作品らしい猥雑で卑猥だが、迸るようなエネルギーと笑いに溢れたものだ。
出演者は喬太郎、あめくみちこを始め、全員が実に楽しそうに演じていた。
江端英久が急な代役にもかかわらず好演。

終演後アフタートークがあり、喬太郎が落語家もこうした芝居にどんどん参加した方がいいと言っていた。
でも「(こういう芝居が出来るは)オレしかいないよ」と言ってたのは、本音だろう。

公演は20日まで。

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コメント

>「(こういう芝居が出来るのは)オレしかいないよ」
BSの番組や謝楽祭ではやたら謙虚な人格を見せる喬太郎ですが、
幸兵衛さまのブログ記事にあった「あの頃(前座時代)はみんなとんがっていた(白鳥)」ことが枯れずに顔を出したというべきでしょうか。
また、その自負なくしては高座に上がることも、芝居に出ることもできんのでしょうね。

福様
本人は冗談めかして言ってましたが、半分は本音でしょう。それだけこの芝居にかける意気込みと自負、責任感をもって臨んでいるのだと思います。

以前、前進座の梅之助、梅雀版をそれぞれ観ましたが、喬太郎版観たかったです。

通行人様
前進座でも何度か上演したようですね。
喬太郎版は蜷川演出版に比べ、より楽しさを前面に出した舞台になっていました。

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