「アンナ・クリスティ」(2018/07/14)
「アンナ・クリスティ」
日時:2018年7月14日(土)13時
会場:よみうり大手町ホール
脚本:ユージン・オニール
翻訳:徐賀世子
演出:栗山民也
< キャスト >
篠原涼子:アンナ・クリストファーソン
たかお鷹:父親のクリス・クリストファーソン
佐藤隆太:マット・バーク
立石涼子:マーシー・オーウェン
ほか、原康義、福山康平、俵和也、吉田健悟
【あらすじ】
舞台は1920年代のニューヨーク。
波止場に舫う石炭を運搬する艀に住むクリス。
若い頃から船乗りだったクリスは妻を亡くしてから、5歳のアンナを親類の農園に預けて育てて貰っていた。
そのアンナが15年ぶりに父親に会いにやって来る。
娘に再会できて喜ぶクリスだったが、アンナには何かわだかまりがあるようだ。
父娘が艀で暮らし始めた頃に、船が沈没してボートで漂流していた男たちをクリスが助ける。
その中の一人であるマットはアンナに一目惚れし、求婚する。
船の事故で親や息子たちを失くしたクリスは、アンナが船乗りの妻になるのは反対だった。
アンナはマットの求婚を拒否する。アンナは農園で養父やその息子たちから受けた虐待や、耐え切れず農園を出た後の荒んだ暮らしを、初めてクリスとマットの前で告白する。
自責の念と悲嘆にくれるクリス。
告白に戸惑うマット。
父親と愛する男の間で悩むアンナが、最後に出した決断は・・・・。
アンナは暗い過去の経緯から、父親に対しては許せない気持ちを持ち続けていた。マットに対しては、自分は妻になるには相応しくないと思いがある。
そうした悩みを吹っ切って決断を下すアンナの姿に、自立した女性の強さを感じる。
休憩を含め2時間30分の舞台は常に緊張感があり、飽きさせない。
クリスを演じた・たかお鷹が好演、マットを演じた佐藤隆太は荒くれ者だが真っ直ぐな男を体当たりで演じていた。
舞台は初主演だという篠原涼子には、もうちょっとセリフに陰影が欲しい。
これは難しい注文だとは思うが、荒れた人生を送って来たとはいえ20歳の女性だ。そうした若さも覗かせて貰いたかった。
公演は8月5日まで。
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