歌太郎ひとり会(2018/7/19)
「歌太郎ひとり会・夏」
日時:2018年7月19日(木)19時
会場:内幸町ホール
< 番組 >
前座・柳亭市坊『一目上り』
三遊亭歌太郎『たがや』
三遊亭歌太郎『厩火事』
ウクレレえいじ『ウクレレ漫談』
~仲入り~
三遊亭歌太郎『真景累ヶ淵~豊志賀』
三遊亭歌太郎、昨年のNHK新人落語大賞を受賞した。落語協会の二ツ目としては志ん吉、正太郎、小辰らと並ぶ期待の若手の一人だ。
長所は、地声が強いのと滑舌が良い。これは噺家にとって強味だ。男前なので女性ファンも多いだろう。
先日、ある会で初めて観て、感じが良かったのでこの日の独演会に出向いた次第。
市坊『一目上り』
こうした若手の会に前座を出すのはどうかな。
歌太郎『たがや』
マクラで花火の玉屋と鍵屋の説明で、鍵屋が途中で罷業して玉屋が残ったと言っていたが、それは逆。玉屋が直火を出してしまい御上から廃業させられた。だから以後の花火は鍵屋だけになったのだが、江戸っ子は判官贔屓なので、掛け声は専ら「玉屋」になったようだ。
歌太郎の高座は、たがやが切る胸のすくような啖呵が良かった。この人の声と滑舌が活きていた。
旗本の供侍は通常は二人だが、ここでは三人になっていた。人数を増やした理由はよく分からない。
歌太郎『厩火事』
古典にも流行りがあるのか、近ごろやたらこのネタに当たる。ダメ男に魅かれる女性というのは今でも少なくないので、物語に現実味があるせいか。
お崎さんに、もうちょいと可愛らしさが欲しかったかな。
ウクレレえいじ『ウクレレ漫談』
初見。ウクレレ演奏が達者だ。マニアックな物真似を披露していた。
歌太郎『真景累ヶ淵~豊志賀』
二ツ目で圓朝作品に挑む心意気が良い。
語りの確かさが活きていたし熱演だったが、豊志賀をまるで老婆の様に描くのはどうなんだろうか。女盛りはとうに過ぎたとはいえ、親子ほど年の違う新吉を情夫(いろ)にしていたのだ。人生の残り火を燃やす豊志賀だからこそ、新吉への嫉妬に狂い死んで行く。そうした女の哀れさをもう一つ描き切れていなかった様に思う。
余計なことかも知れないが、終演後に会場出口でお客に挨拶した方が良かったのでは。
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