三遊亭白鳥のTVドラマ出演
本日の東京新聞に、三遊亭白鳥がTVドラマに初挑戦した記事が掲載されている。
なんでもTBSのドラマ『ブラックペアン』から出演依頼があったようだ。
連絡があってTBSの会議室にでかけると、番組プロデューサーを始め関係者がズラッと並んでいた。白鳥は新作落語300本作っているので、どんな役がきてもこなせると自信満々だった。
「それじゃ、『これはこれは佐々木教授』と言ってください」。そこで大学教授になり切って渋くセリフを言うと、「ダメダメ、何で役を作るの。普通にやってください」といきなりダメ出し。
「次は、『さあ、検査室へ』。これくらいは言えますね」。しかし白鳥から出た言葉は「さあ、検査しゅちゅへ」。
「白鳥さん、なんで噛むの。談春さんは立て板に水でしたよ」。ここで気が付いたのは、ドラマ関係者にとって落語家の基準は、談春なんだと。
そこで白鳥は、「僕は落語家と言っても登場人物の演技分けが出来ないし、口が回らないんです」と言うと、「え、それじゃ古典落語が出来ないでしょ」。だから新作落語をやってるの、と心の中で呟く。
「仕方ない、セリフ無しで驚いてみてください」と言われ、高座でやっている驚きのポーズをすると、「ふざけてるんですか?」とプロデューサーの目には怒りが浮かび、「落語の引き出しを開けてくださいよ」。
スイマセン、僕には開ける引き出しがないんです。
それでも最終的にはセリフ無しのワンシーンだけ、大学教授役で出ることになった。
俺は邪道落語一筋で生きてゆきます、という白鳥の言葉で記事は結ばれている。
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