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2018/08/21

鈴本8月中席夜の部・楽日(2018/8/20)

鈴本演芸場8月中席夜の部・楽日
<  番組  >
柳家東三楼『初天神』
鏡味仙三郎社中『太神楽曲芸』  
五街道雲助『ざる屋』
春風亭一之輔『堀の内』
柳亭市馬『天災』
ホンキートンク『漫才』
柳家喬太郎『同棲したい』
露の新治『紙入れ』
~仲入り~
柳家小菊『粋曲』
柳家さん喬『寝床』            
林家正楽『紙切り』
柳家権太楼『唐茄子屋政談』           

約ひと月ぶりの外出だ。
この間、有難いことにお見舞いや励ましのコメントを頂き、改めて御礼申し上げます。
アルコールもやはりひと月断っていて、入院中はあれほど焦がれていた酒も、今は平気になってきた。慣れというのは恐ろしい。

さて、鈴本の8月中席はお盆興行になっていて、特に夜の部は、さん喬と権太楼が全てネタ出しで交互にトリを取るという企画になっている。
今年で29年目を迎えたそうだ。
かつては、浅草演芸ホールの昼の部で志ん朝のトリと住吉踊りを観てから上野広小路に移動して鈴本の夜の部に、というのが慣わしだった。もちろん、指定も前売りもない時代で、開演少し前に鈴本に着いても最前列に座ることが出来た。今から思えばいい時代だった。

顔づけは落語協会オールスターキャストといった按配で、普段の寄席と違ってサラクチから目一杯演じているという印象だ。
例によって短い感想をいくつか。

東三楼『初天神』
本格古典でいい感じだったが、後ろの顔ぶれに呑み込まれてしまったようだ。

雲助『ざる屋』
師匠譲りの得意ネタとはいえ、程よく笑わせる手際は大したものだ。寄席の浅い出番ではこの「程の良さ」が難しのだ。

一之輔『堀の内』
爆笑につぐ爆笑、これでもかと思うほど笑わせる。粗忽を治そうとする男だが、お祖師さまに願をかける際に「世界平和を」と言ってしまう。後で倅を風呂に連れて行くときに名前を「ジョン」と呼んでしまい、倅から「やっぱりおとっつあんは世界平和をを望んでるんだね」と言われる。例えば、こういう細かな仕掛けがこの人の凄さだ。

市馬『天災』
一之輔の後というのは誰しもやりにくいだろう。市馬らしい落ち着いた語りなのだが、聴いてる方はテンションが下がったように思えてしまう。

喬太郎『同棲したい』
マクラで「今日は弟子ですから気楽なもんです」って言ってたけど、あれは師匠には結構プレッシャーかも。
タイトルはかつてコミックや映画で話題になった「同棲時代」をもじったもの。熟年夫婦が、若い頃憧れた同棲生活を再現しようというもの。
古典が続いたこの日のネタで唯一の新作。「キョンさま~」と言っていた隣席のご婦人は大喜びだった。

新治『紙入れ』
同じネタでも東京に比べ上方版は全体にネットリとしている。あの年増の手練手管にあってしまっては、大概の男はコロッといくだろう。
このネタは今回で3度目だが、相変わらず上手いもんだ。

小菊『粋曲』
~~❤

さん喬『寝床』
数年前に聴いた時は、上方の桂枝雀の影響を強く感じたが、この日は演じ方をだいぶ変えていた。
一つには、主人が喉試しで義太夫のサワリの部分を聴かせる場面に時間を割いていた。後半の長屋の連中が主人の義太夫を聴かせられる所はアッサリとしていたが、サゲは良く工夫されていた。
さん喬ほどのキャリアになっても、こうした試行錯誤を繰り返しながら仕上げてるんだなと、改めて感心した。

正楽『紙切り』
お題は、夏祭り、さん喬と権太楼、猫の親子、
だった。

権太楼『唐茄子屋政談』
権太楼のこのネタは初。
このネタは登場人物の演じ分けが肝要だ。
勘当されて辛い目に遭いながらどこか甘さが抜けない若旦那、厳しいが人情味のある叔父さん、侠気の江戸っ子の男、貧しい浪人の妻、業突く張りの大家。
権太楼の高座は、それぞれの人物を的確に描いていて、間然とすることなく長講を演じきった。

お盆興行の楽日に相応しい熱演が続き、ひと月ぶりの高座に満足。

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コメント

おかえりなさいませ。
先月の下席昼の部、喬太郎師のトリにフラリと行ってきました。マクラ充分のそば清に大笑い。
その他演者も鉄板ネタだったので大満足。
 
権太楼・さん喬のネタ出し興行
良い顔付けで熱演に逢うとは、一番の薬orリハビリですかね(笑)

蚤とり侍
鈴本の7月下席は行く予定にしていて、浅草演芸ホールの7月余一会(喬太郎がトリ)はチケットを買っていましたが、いずれも入院中で悔しい思いをしました。
お盆興行もなかなか良かったですよ。

酒の方は馴れると飲みたくなくなるのに、落語はそうはいかないのですね。
エネルギッシュに活動再開、おめでとうございます!

佐平次様
今月中の飲酒は一切罷りならぬという奥方のきついお達しがあり、世界平和のために痩せ我慢をしているというのが実態です。
落語の方はお許しが出たので。
とにかく上司の命令には逆らわないことにしてます。

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