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2018/11/17

国立11月中席(2018/11/16)

国立演芸場11月中席・6日目

前座・立川 幸七『道灌』
<  番組  >
立川幸之進『狸の鯉』
東京ボーイズ『ボーイズ』
春風亭柳太郎『結婚式風景』
東京丸・京平『漫才』
立川談幸『茶の湯』
~仲入り~
神田紫『紀伊国屋文左衛門~宝の入船』
桂米福『尻餅』
ボンボンブラザース『太神楽曲芸』
三笑亭茶楽『芝浜』

国立演芸場11月中席は芸協の芝居、後の顔づけが良い6日目へ。入りはまあまあといった所か。

東京ボーイズ『ボーイズ』
このコンビ、冒頭の「謎かけ問答」以外は毎度ほぼ同じネタだ。それでも面白いのは芸の力。
寄席で現役で活躍している「ボーイズ」は彼らだけだろう。ぜひボーイズの火を消さず息長く頑張って欲しい。

柳太郎『結婚式風景』
師匠だった春風亭柳昇の十八番だったが、同じネタを演じてもこんなに差がつくものか、を実感した。

京丸・京平『漫才』
この漫才、どこを面白がればいいんだろう。

談幸『茶の湯』
大家の隠居から茶の湯の招待状が届き戸惑う3軒長屋の住人の姿はカットしていたが、短い時間でテンポよく聴かせていた。このネタ、変に捻らなくても十分に楽しめるのだ。
風流人を気取って茶の湯を楽しんでいる人たちに対する、百姓のキツイ一言。数あるサゲの中でも傑作と言って良い。

米福『尻餅』
こういうネタを聴くと歳末に近づいたんだなと思う。両手で餅つきの音を響かせるリズムが心地よい。一歩間違えるとバレ噺になりかねないが、米福はそこをサラリと演じてみせた。

ボンボンブラザース『太神楽曲芸』
落語や講談に人間国宝があるんだから、色物だって人間国宝がいても可笑しくない。そう思わせる芸だ。

茶楽『芝浜』
何より小品を小品として演じた点が良い。
3代目桂三木助が完成したと言われている『芝浜』だが、登場人物は二人だけで、その夫婦の機微を描いたものだ。口演時間も20分程度で、ドラマチックな展開が起きるわけでもない。それだけに演者の技量が求められる。
茶楽の高座では、
・魚勝が拾ってきた財布から出した小粒を数える時に、最初は意気込んで数え始めえるが、途中で気付いて小声にする。
・魚勝が昨晩の残りの酒を飲む際に、昨日までと違って今日は気分よく飲めるというセリフに、ホッとした本心が覗いていた。
・翌朝、女房が魚勝を起こす際の起こし方が、前の日と違って切羽詰まった声でお越しにかかる。この後に亭主に対して夢だ夢だと納得させる女房の心積りを表している。
こうした下地が積み重なって、最後の「また夢になるといけねえ」いうサゲが効いてくるのだ。近ごろ、このネタに余計なものをくっ付けて時間を延ばし、大ネタ扱いで演じるケースがあるが、あれは邪道だ。
トリの茶楽の高座、結構でした。

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コメント

茶楽、評価の高いヒトですが、未だ・・・
『芝浜』は今年初でしょうか。本来は師走の噺。しーんという静寂と緊張の中、徐々に欷歔が客席から聞こえてくるというのが理想ですね。

福様
『芝浜』は文学でいえば短編小説にあたります。隅々にまで神経を行き届かす必要があります。
茶楽の高座では、煙草の吸い方、酒の飲み方まで工夫がなされていました。

芝浜は子供の頃にラジオで聞いた時は楽しかったのですが、最近の演じ方は草臥れてしまってみる気がしません。
やはり茶楽を探そう。

佐平次様
いつの頃からか演者に、「さあ、これから芝浜をやるぞ」みたいな気負いが感じられ、ずっと違和感がありました。
茶楽のように自然体ですっと入っていく方が、本来の姿だと思います。

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