「誰もいない国」(2018/11/20)
「誰もいない国」
日時:2018年11月20日(火)13時
会場:新国立劇場 小劇場 THE PIT
脚本:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
演出:寺十吾
< キャスト >
柄本明:ハースト(屋敷の主人、作家)
有薗芳記:フォスター(同居人)
平埜生成:ブリグス(同居人)
石倉三郎:スプーナー(客、詩人)
『野ざらし』の「さいさい節」じゃないけれど、
♪金がゴーンと唸りゃさ・・・
「欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を忘れる」
片山さつきのチョロマカシなど小さく見えてしまうが、それはそれだ。
ノーベル文学賞受賞者のハロルド・ピンターの戯曲「誰もいない国」を観劇。
あらすじは。
2時間半の芝居は2幕に分かれる。舞台は老作家ハーストの自宅の居間。場所はロンドンのハムステッド・ヒースの近くらしい。ハーストとパブで意気投合した詩人を名乗る老人スプーナーの二人、二人はパブの続きみたいに酒を飲み続けお喋りをするが、会話は成り立っていない様子。
ハーストの身の回りを世話する2人の若い男が部屋に入ってくるが、2人はスプーナーをもてなしたかと思えば乱暴に扱ったりと、態度がころころ変わる。
4人の会話は一見取り止めのない様に見えるが、次第にハーストとスプーナーの二人の間の、女性関係をめぐる応酬の様相を呈してゆき・・・。
感想を一口にいえば、よく分からなかった。
物語に展開があるわけではないし、4人の状況も明確ではない。
「誰もいない国・・・動かない・・・変わらない・・・
老いることもない・・・いつまでも・・・
永遠に・・・冷たく・・・静か」
こんなセリフが唐突に飛び出してきて、それに反応するセリフはないのだ。
この芝居、恐らくはセリフそのものの楽しさと、役者の演技を楽しむ舞台なんだろう。
柄本明の演技を見るだけでも、確かに価値はある。
公演は25日まで。
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