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2018/11/24

花形演芸会(2018/11/23)

第474回「花形演芸会」
日時:2018年11月23日(金、祝日)
会場:国立演芸場
<  番組  >
前座・柳亭市坊『たらちね』
柳家やなぎ『牛ほめ』
玉川太福 『石松三十石船』 曲師=玉川みね子
神田山緑『人情匙加減』
桂佐ん吉『星野屋』
―仲入り―
柳亭左龍『壺算』
コンパス『漫才』
三遊亭萬橘『火事息子』

11月23日は感謝の日、こちとらは勤労してないので対象から除外だ。語呂合わせで「いいニッサンの日」でもあるそうだ。「ゴーンwithマネー(金と共に去りぬ)」で、これからの日産はどうなるのか。
第474回「花形演芸会」は浪曲に講談、漫才と、色物が多彩な会になった。

市坊『たらちね』
喋りが、噺家の喋りになっている。スジが良さそうだ。

やなぎ『牛ほめ』
下ネタで笑いを取ろうとする了見が気に入らない。

太福 『石松三十石船』 
一世を風靡した2代目広沢虎造『清水次郎長伝』より、最も人気の高かった 『石松三十石船』のサワリを演じた。
せっかくだから外題付けを紹介する。
【酒を飲むなと睨んで叱る 
次郎長親分怖い人
怖いその人又懐かしい
代参済まして石松は
死出の山路の近道を
夢にも知らず唯一人
参りましたる所は
ここは名代の大阪の
八軒屋から船に乗る
船は浮きもの流れもの】
二度目だが、最初は虎造節が耳慣れているので玉川節に違和感があったが、聴き込んでくるとこれはこれで心地良い。ケレン味の濃い啖呵で面白く聴かせていた。

山緑『人情匙加減』
『大岡裁き』もので、入船亭扇辰の落語や宝井琴調の講談でお馴染みだ。この二人の高座に比べ緩急や起伏が弱く感じられ、そのせいか山場の緊張感に欠けていた。

佐ん吉『星野屋』
佐ん吉の良さが愛敬があることだ。噺家にとって最も大事なのは愛敬だ。色気と言い換えても良い。これは噺家に限らず全ての芸人に求められる共通の資質である。
佐ん吉の演じるお花に色気があり、母親の強かさも十分に示され、良い出来だった。

左龍『壺算』
「ゲストといわれる程の者ではない」などと謙遜していたが、堂々とした高座で貫禄を示していた。花形演芸会のゲストに呼ばれるというのは、噺家にとって一つのステータスと言えるが、左龍もその仲間入りを果たしたわけだ。

コンパス『漫才』
ボケが三味線、ツッコミが唄という、珍しい民謡漫才。唄い手が高音に伸びがないのが残念。

萬橘『火事息子』
ネタを見て、大賞狙いだなと思った。萬橘は過去4期金賞を続けていて、これはこれで立派な成績だが、やはり今期は大賞が欲しい処だ。
8代目林家正蔵始め、6代目三遊亭円生、5代目古今亭志ん生、3代目桂三木助など、名だたる大看板が演じたネタ、萬橘がどう演じるか注目した。
基本は正蔵の型と思われるが、いくつか工夫があった。
勘当して末に臥煙(がえん)にまで身を落とした息子に会うのを拒む父親に対して、店の小僧が説教する。
・父親が出てけと言ったから息子が出て行ったんだから、息子は父親の言いつけを守ったのだ。
・(店が質屋なので)質屋だって良い質屋もあれば悪い質屋もあっる。それと同じで臥煙にだって良い人もいれば悪い人もいるのではないか。
・(父親が勘当したら息子と言えども赤の他人だというと)他人だったら会ってもいいでしょう。
こうした小僧の説得により、ようやく父親が息子に再会する。最初は冷たくあしらう父親だったが、母親も加わって親子の愛情溢れる結末となる。
全体に笑いの要素を多くしていて、その分親子の再会の場面の感動は薄れるが、萬橘版『火事息子』としては良い出来だったと思う。

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コメント

『家事息子』に限らず、冬の噺は場内に寒さが伝わらなくてはダメだと、たしかほめく様のご説でしたでしょうか。
あ、ミス打ちで「火事息子」ですね、パロディで家事ばかりしている息子の噺を白鳥あたりがきっと・・・
萬橘の場合は小僧ということですが、圓生の型を継承したという扇橋の場合は、番頭でした。しかも、実に腰の低い番頭でございました。

投稿: 福 | 2018/11/25 07:17

福様
『火事息子』は細かな描写をせずに、親子の情愛を描き切った先代正蔵がベストだと思います。それに比して萬橘の高座はかなり饒舌ですが、こうした演じ方があっても良いと思いました。

投稿: ほめ・く | 2018/11/25 09:48

きのうは茶楽と寿輔目当てで末廣亭に行き萬橘「紀州」を聴きました。
彼は二度目かな、やっといいなと思いました。
左龍聴きたくなりました。
茶楽いいですね。

投稿: 佐平次 | 2018/11/26 10:09

佐平次様
萬橘も左龍も上り坂の真っ最中っていう所でしょう。茶楽は今の芸協の中では貴重な存在ですね。

投稿: ほめ・く | 2018/11/26 18:09

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