すがも巣ごもり寄席(2018/11/28)
第203回「すがも巣ごもり寄席」
日時:2018年11月28日(水)13時
会場:庚申塚・スタジオフォー
< 番組 >
雷門音助『権助芝居(一分茶番)』
柳家花いち『夢八』
柳亭市童『寝床』
神田すず 『赤穂義士外伝~忠僕元助』
久々の地域寄席は「すがも巣ごもり寄席」。203回というから主催者がよほどしっかりしているんだろう。
以前に一度来たことがあるが、二つ目が4人出演する会で、今回は音助、市童、小辰という実力派が3人揃っていたので、我が家からはちと遠いが出向いた。処が小辰が休演で、花いちが代演となっていた。こうした若手の会で代演に出会ったのは初めてだ。
以下に短い感想を。
音助『権助芝居(一分茶番)』
前座時代から注目している芸協の若手、この日は『権助芝居』を。通常の寄席では前半の権助が田舎芝居で七段目のお軽を演じて「今度のお軽はオスだ」で切ることが多いが、後半の「有職鎌倉山」の芝居まで演じた。芝居の動きやセリフがあるので難しいネタだが、丁寧に演じていた。所作がもっと綺麗になると、更によくなるだろう。
期待通りの高座だった。
花いち『夢八』
初見。マクラで祖母の臨終の話題は感心しない。
喋りで気になったのは、ネタの八兵衛とマクラの喋りが同じ調子なのだ。未だ噺家の喋りが身についていない気がした。首つりの目がまともで、あれでは死人の感じがしない。
市童『寝床』
やはり前座時代から注目していた一人。良さは喋りがしっかりしていること。こうした難しいネタに挑戦する意気込みは買うが、稽古不足なのか言い淀みや言い間違いがいくつかあり気になった。
それとセリフの「間」について工夫が必要だ。旦那と繁蔵、あるいは旦那と番頭との会話で必要な「間」が取れていないので、会話が流れていってしまう。
もともと素質はあるので、一層の精進を望みたい。
すず 『赤穂義士外伝~忠僕元助』
初見。
赤穂義士の一人、 片岡源五右衛門に元助という忠実な下僕がいる。いよいよ明日が討ち入りという日、源五右衛門は元助に暇を出し、10両の餞別を渡し国に帰れと命じる。元助は納得せず、それなら腹を切ると外へ飛び出そうとすると、そこへ通りかかったのが見廻り役の大高源吾と武林唯七、経緯が分からぬまま元助を殴り倒す。
片岡と大高、武林の3人は話し合い、これほど忠義な者であるなら元助の真実を打ち明けても大丈夫だろうとなり、元助に明日の討ち入りの件を打ち明ける。これほどの大事を自分のような者に打ち明けてくれた事に感謝する元助。元助は水盃をし三人を送り出す。
翌朝、見事に吉良の首を討ち捕ったと知った元助、浪士が切腹となると頭をまるめ、生まれ故郷で四十七士の石像を彫りあげ、榛名山のふもとに祀る。その後、南房総で墓守となり余生を送ることになった。
数ある義士銘々伝の中でも、随分と地味なネタを選んだなという印象だった。
満足度が足りなかったのは、やはり「小辰 」というピースが欠けていたせいかな。
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コメント
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市馬の弟子はつらいでしょうね。
師匠が芸も人格も一流ですから、何かと比較されて・・・
市童のような若手への褒め言葉は、本当に励みになると存じます。
投稿: 福 | 2018/11/30 06:37
福様
注目していた若手が上手くなってゆくのを見ると、我が子の成長を見る気がして喜ばしいものです。そういう所が若手の会の楽しみです。
投稿: ほめ・く | 2018/11/30 07:21