歌曲の森「クリストフ・プレガルディエン」(2018/11/9)
〈歌曲(リート)の森〉~詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第23篇「クリストフ・プレガルディエン」
日時:2018/11/9(金)19時
会場:トッパンホール
<出演者>
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ミヒャエル・ゲース(ピアノ)
<プログラム>
シューマン:5つの歌曲 Op.40(詩:アンデルセン、シャミッソー)
シューマン:リーダークライス Op.39(詩:アイヒェンドルフ)
~休憩~
シューマン:詩人の恋 Op.48(詩:ハイネ)
(アンコール曲)
シューマン:
リーダークライス Op.24より 第9曲 ミルテとばらの花を持って
5つのリートと歌 Op.127より 第2曲 あなたの顔は
ベルシャザル Op.57
ミルテの花 Op.25より 第1曲 献呈
シューベルト:
夜と夢 D827
世の中で最も美しい音、それは人間の声だ。どんな楽器にも勝る。
そのことを実感したのは、ここトッパンホールで歌曲の数々を聴いてからだ。
私たちの日常で肉声の歌声が聴けるのは稀だ。歌謡曲やポップスのコンサートに行っても、マイクを通した歌声しか聴けない。あれではライブの意義が半減してしまう。
もう一つ大事なことは、ホールの音響だ。いくら歌手の声が良くてもホールの音響が悪くは台無しになる。
その点、トッパンホールは素晴らしい。客席が400余りと、歌曲を聴くには丁度いい広さだ。
このホールで聴いていると、歌手の声が喉から出るのではなく、身体の中から出ていることが実感できる。その声がホールの壁に反響して私たちの身体に伝わってくる。
そうした心地よさからくる陶酔感に浸りながら、至福の時間を過ごすことが出来る。
もちろん、それは歌手の技量にもよるのであって、この日のクリストフ・プレガルディエンの素晴らしい歌声があればこそ。リリックテノールなので高音が綺麗であることは言うまでもないが、この人は低音がまた美しい。
ミヒャエル・ゲースのピアノ演奏を聴いていると、歌手との関係が浄瑠璃の太夫と三味線との関係を思わせる。
ドイツ語が不勉強のため歌詞が分からず、表現力や情感が伝えられないのが残念だが、幸せな気分で帰路についた。
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