「一之輔・夢丸」(2019/1/8)
「夢一夜」
日時:2019年1月8日(火)19時
会場:日本橋社会教育会館ホール
< 番組 >
前座・柳亭市坊『一目上り』
三笑亭夢丸『思い出』
春風亭一之輔『妾馬』
~仲入り~
春風亭一之輔『庭蟹』
三笑亭夢丸『山崎屋』
夢丸『思い出』
新作で、先代古今亭今輔がよく演じていた。
古着屋が未亡人の家に着物を買い取りに行く。古着はシミやキズがあると買取価格が下がってしまうが、夫人の着物にはシミがあった。古着屋がその点を指摘すると、夫人は夫との旅行の思い出を語り始め興奮しだす。そこを何とかなだめて次は亡き夫の羽織が出されるが、袖にキズがあった。古着屋が指摘すると、原因は夫の浮気だったと言いながら夫人は当時を思いだして興奮して古着屋の首を絞めたり大暴れ。困った古着屋が「何か思い出が無いものは」と言うと夫人が差し出したのは、古着屋が来てきた羽織、でサゲ。
夢丸らしいテンポの良い運びと、夫人の大仰な動きで受けていた。
一之輔『妾馬』
マクラで前澤とか言うどこかの社長が、ツイッターを通して100万円を100人に配ったのを話題にしていた。いかにも成り上がり者らしい発想だ。口角が上がっている所が性格の悪さを示していると言ってたので、今日ネットで写真を確認したが、確かにそうだ。まあ、100万貰った人は感謝だろうけどね。
一之輔の高座の特長は、一之輔がこのネタを演じればこうなると予想していると、結果はその通りとなる。
一之輔とネタの予定調和。だから初めて聴くネタでも、以前に何度も聴いた気がする。
上手い、達者だ、器用だという点においては、いう事がない。
一之輔『庭蟹(洒落番頭)』
世の中にはシャレが分からない人がいる。またシャレが通じてもタイミングが悪いと、相手を怒らせてしまう事があるから要注意だ。
よそからお宅の番頭はシャレが上手と聞かされた主人、番頭を呼んでシャレを言わせる。
「庭に蟹が這(は)いだしたが、あれはどうだ」
「そうニワカニ(俄に)は洒落られません」
「じゃ、あの衝立は」
「ついたて二日三日」
こんな調子で番頭がシャレで返すが主人は全く理解できなくて、終いには怒り出す始末。
そこへ小僧が来て、ちゃんと洒落になっていることを説明すると、主人は番頭に謝って、ほめるからもう一度洒落てくれと頼むと、番頭が
「だんなのようにそう早急におっしゃられても、洒落られません」
「うーん、これはうまい」でサゲ。
典型的な逃げ噺だが、一之輔らしく面白く聴かせていた。
夢丸『山崎屋』
意欲的な高座だったが、語りが単調だった。主要な登場人物である遊び人の若旦那。堅物でケチな大旦那、狡猾な番頭、それぞれの演じ分けも不十分だった。
課題は多いが、夢丸の明るい芸風にはよく合っているネタなので、磨き上げて欲しい。
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