「鯉昇・文菊」(2019/1/29)
にほんばし落語会「鯉昇・文菊 二人会」
日時:2019年1月29日(火)19時
会場:日本橋社会教育会館ホール
< 番組 >
前座・春風亭朝七『初天神』
古今亭文菊『湯屋番』
瀧川鯉昇『餃子問答』
~仲入り~
瀧川鯉昇『持参金』
古今亭文菊『二番煎じ』
当ブログの読者の方はご存知かと思われるが、毎年年末にその年に聴いた高座の中で特に優れたものを「My演芸大賞」と称して、大賞1点、優秀賞数点を数点選んでいる。傾向としては下半期に聴いたものが選ばれるケースが多いが、今年は1月の時点で既にいくつか候補作が上がっている。こいつぁ春から縁起が・・・というわけで、この日は久々に鯉昇と文菊の会へ。
あのトボケタ高座には偶に恋しくなるのだ。
朝七『初天神』
随分と老成した感じの喋りだ。神田の生まれよ、ってか。
文菊『湯屋番』
今年40歳になるそうだ。菊六の頃からあまり風貌が変わらない。毎度お馴染みの十八番。若旦那の妄想に出てくる妾が病的に色っぽい。
この人、マクラで育ちの良さを強調するが、およそ生活感が無いね。
鯉昇『餃子問答』
この日にマクラは「体温計」と「タミフル」、何度も聴いているが完成度の高さでいつも笑える。本当はお金持ちらしいが、この人の貧乏自虐ネタにリアリティを感じるのはやはり人柄(外見?)からか、あるいは師匠だった8代目小柳枝の影響か。
出身の浜松市が宇都宮と餃子日本一を争っているという事で、『蒟蒻問答』ならぬ『餃子問答』。「お前んとこの餃子の中身はこんなか?」「いや、一杯詰まってる」ってな調子。
鯉昇『持参金』
寄席に頻繁に足を運んでくれる客に理由を訊いたら、「落語協会は上手い人ばかりで眠くなる」と答えたとのこと。へりくだっているようでいて、実は皮肉かな。
10万円で妊娠10ヶ月の醜女を押しつけられた男、でも女の性格は良さそうだし、お腹の子の父親は分かってるし、けっこう幸せかも。
文菊『二番煎じ』
火の回りの一組は月番、伊勢屋の主人、黒川先生、辰つぁん、宗助さんの5人だが、文菊の高座はそれぞれの性格や月番との人間関係を丁寧に描いていたのが特長。「火の用心」の掛け声もそれぞれの個性を示して見せた。番屋に戻ってからの宴会も描き方が丁寧だったが、その分ダレてしまった感あり。
鯉昇から皮肉られそうだ。
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