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2019/02/09

「西のかい枝 東の兼好」(2019/2/8)

第二十九回にぎわい倶楽部「西のかい枝 東の兼好」
日時:2019年2月8日(金)19時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
<   番組   >
前座・三遊亭じゃんけん『初天神』
三遊亭兼好『看板のピン』
桂かい枝『尻餅』
~仲入り~
桂かい枝『首の仕替え』*
三遊亭兼好『明烏』*
(*ネタ出し)

にぎわい座恒例の「西のかい枝 東の兼好」、特にかい枝は東京での公演が少ないため、この会は楽しみにしている。

兼好『看板のピン』
今年で芸歴21年だそうで、20周年記念落語会を各地で開催するとのこと。明日のさいたま公演が皮切りだが、雪の予報が心配だと。雨で1割、雪で4割客が減るそうだから天候は大事なのだ。
興行は当たれば儲かるし、外れれば損する、博打みたいなものというマクラからお馴染みのネタへ。
この噺、何となく聴いていると気が付かぬが、振ってから伏せた盆の横に事前に仕込んでおいたサイコロのピンを上にして置くというのは、相当な熟達した技術だろう。ここに出てくる親分というのは、そうしたイカサマ賭博を渡世にしていたのだろうが、それを見た若い衆が簡単に真似が出来るとは思えない。
国立演芸場で聴いた遊喜の『看板のピン』では、若い衆が予め練習をしてから別の賭場にという風に説明していたのは、合理的かな。

かい枝『尻餅』
かい枝は英語落語が得意で、先日も外国人向けの落語という番組収録を行ったとのこと。この日も英語で小咄を演じてみせた。
東京でも演じられるこのネタだが、オリジナルの上方版はかなり際どくバレ噺に近い。前夜に夫婦が布団に入ると睦事の描写がある。尻餅の場面では尻をまくった女房の尻の穴を亭主が覗き込もうとする。餅つきの音を両手でリズミカルに響かせるのも上方版の特長だ。

かい枝『首の仕替え』
男が甚兵衛に、女にもてるにはどうしたら良いかを訊ねると、「一見栄、二男、三金、四芸、五声、六未通(おぼこ)、七声詞、八力、九肝、十評判」と教えたくれたが、男には何一つ該当しない。それならと甚兵衛は、医者の赤壁周庵先生の所へ行って、女にもてる首と取り替えてもらえと勧め、男は早速500円持って医者宅を訪れる。
診察室の棚には上からずらりと首が並んでいる。女にもてる首は一番上の歌舞伎役者の首だが、500万円だという。二番目の棚はアイドルだがこれも50万円でダメ。三番目の棚は野球選手でこのクラスでも10万円もする。
500円しか予算がないと聞いた周庵先生は、生ごみのポリバケツの中の首なら500円でいいと言う。男が中を覗くと、みな落語家の首だ。鬼瓦みたいな顔の松鶴、ホームベースの形の仁鶴、ヤーさんみたいなざこば、目だけ笑っていない兼好、どれも女にもてそうもない首ばかり。
中に一つだけいいのがあった。訊けば桂かい枝の首だという。男が気に入ったというので早速医者が手術をして男の首を付け替える。
喜んで帰ろうとする男に医者が料金を請求すると、
「あほらしい、前に回って見てくれなはれ、頼んだやつの首が変わっておます」 でサゲ。
古典なのか新作なのか分からないが、上方では色んな人が手掛けていて、付け替えの首が演者自身というのが特長だ。
役者やアイドルの所でトピックスを入れこんで演じる所が見せ場のネタ。

兼好『明烏』
兼好はこのネタを得意としていて、何度か高座に接しているが、一行が吉原に行くまでの所がちょっともたついて、出来はイマイチだった。明日からの記念公演で頭が一杯だったのかな。

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コメント

首の噺、いちど聴いてみたいものです。

佐平次様
『首の仕替え』の医者は『犬の目』の医者と同一人物だそうです。

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