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2019/02/06

国立2月上席(2019/2/5)

国立演芸場2月上席・中日

前座・立川幸吾『出来心』
<  番組  >
山遊亭くま八『魚根問』
ナイツ『漫才』
三遊亭遊喜『看板のピン』
丸一 小助・小時『太神楽曲芸』
春馬改メ
六代目三遊亭圓雀『花筏』
~仲入り~
神田京子『与謝野晶子』
三遊亭圓丸『天狗裁き』
江戸家まねき猫『動物ものまね』
三遊亭小遊三『引越しの夢』

国立演芸場2月上席は芸協の芝居、その中日へ。平日の昼席にも拘わらず一杯の入りだ。そのせいか、出演者は熱演が続き、サラ口からトリまで充実した高座を披露していた。

幸吾『出来心』
達者な前座だ。芸協も遊雀や談幸の入会は良い刺激になったと思う。

くま八『魚根問』
古典に独自のクスグリを入れたの口演だったが、洒落を言った後の「間」の空け方は感心しない。もっとリズム良く演じた方が楽しめると思うが。

ナイツ『漫才』
このコンビ目当てのお客も多かったようだ。
「沖縄でお神籤を引いたら『凶』しか出なかった」
「ほう、どうして?」
「これ以上、『吉(基地)』は要らない」
が受けていたが、ねずっちのネタだとばらす。
プロ野球のマニアックなエピソードを長々と話した後で、これが「寿限無」のパロディになっている仕掛けには感心した。

遊喜『看板のピン』
初見、噺家らしい噺家だ。看板のピンを披露する親分と、それを後から真似る若い衆の造形が良かった。

圓雀『花筏』
2016年に先代が死去した後を継いで、春馬から6代目三遊亭圓雀を襲名。芸協では昇太が十八番にしているが、より重厚な演じ方だ。身体が大きいので相撲ネタはニンか。

京子『与謝野晶子』
二つ目時代から注目していた女流講談師で、この日は与謝野晶子の半生を描いたネタだったが、上出来。読みの切れがいいし、押したり引いたりする呼吸も巧みだ。
落語とは異なり、講談や浪曲では優秀な女流が次々と現れてきて楽しみだ。

圓丸『天狗裁き』
初見、噺家らしからぬ男前だ。膝前にしては重たいネタかと思えたが手際よくまとめていた。男から何とか夢の話を訊きだそうとする女房、隣家の男、大家、奉行、天狗、それぞれの表情の作り方が巧みだった。

小遊三『引越しの夢』
大好きな夜這いの噺と、ネタに入る。
この噺の演じ方には細部に違いがある。
①通常は、女中はその気が無いのに、男の側が一方的に思いを掛けて夜這いを試みる。
②圓生の場合は、男たちに誘惑に女中が片端から色よい返事をしてしまうので、男たちは競って夜這いを仕掛けようとする。
③9代目文治の場合は、特定の男に色よい返事をして、その気にさせる。
いずれも実際に夜這いを実行するのは一番番頭と二番番頭で、小遊三は①の型だったが、もう一人若い奉公人が井戸の釣瓶にぶら下がるという演じ方。
小遊三の高座では、一番番頭が着物や帯をエサにして女中を口説く時のいかにも助平ったらしい表情が良かった。
こうしたネタは小遊三の様に大らかに演じるのが正解だろう。

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コメント

ナイツは塙が野球好き(巨人ファン)のため、そうした芸当ができるんでしょうね。
さて、芸当ならぬ芸協です。今年こそ、勉強させてもらいます。

福様
この日の様な熱演が続けば、芸協の芝居ももっと客が集まるでしょう。元々色物は芸協の方が上ですし。

私、2、3日とこの芝居に行きました。週末ということもあり、満員御礼の札が出ていました。各出演者も熱のこもった高座で楽しかったです。トリの小遊三は、2日が代り目、3日目が蛙茶番でした。

ぱたぱた様
久々に充実した芸協の芝居を観ました。やはり小遊三がトリ、の影響でしょいうか。

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