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2019/03/07

国立3月上席(2019/3/6)

国立演芸場3月上席・6日目

前座・橘家門朗『道灌』
<   番組   >
柳家ほたる『真田小僧』
柳家小八『小言念仏』
ジキジキ『音曲漫才』
林家きく麿『歯ンデレラ』
柳家小里ん『棒鱈』
─仲入り─
ホームラン『漫才』
橘家文蔵『手紙無筆』
マギー隆司『奇術』
柳家小満ん『寝床』

NHK大河ドラマ『いだてん』の視聴率が悪いと話題になっているようだ。
やれ脚本がどうの、役者がどうのと書かれているが、どだい前回の東京オリンピックをドラマのテーマにした時点で間違っている。我々の受信料を使って国策ドラマを企画したこと自体、政府への忖度があまりにミエミエだ。視聴者からソッポを向かれるのは当然の結果だろう。

さて、国立演芸場の3月上席は落語協会の芝居だが、顔づけが良いので6日目に出向く。

ほたる『真田小僧』、久々だったが上手くなった。小生意気な男の子の造形が良かった。

小八『小言念仏』、このネタのキモは、念仏から会話へ、また会話から念仏に入るタイミングだが、師匠の領域にはまだまだだ。

ジキジキ『音曲漫才』、夫婦の音曲漫才となると、このコンビしかいないのでは。貴重な存在だ。演者自身が楽しそうに演じるので、会場全体が華やかになる。

きく麿『歯ンデレラ』、先ずはマクラで小林旭の物真似を披露。ネタは、シンデレラのガラスの靴の代わりに入れ歯というストーリーだが、前半の嫁と姑の言い争いの箇所が面白かった。機会があれば古典も聴いてみたい。

小里ん『棒鱈』、騒ぎを聞いて侍から手討ちにされようとしている男を寅さんが連れ帰ろうとする演り方は初めて観た。淡々とした喋りに可笑しさが醸し出されるという高座はいつも通りだが、この日はいくつか小さなミスもあり、今一つ気合が入っていない印象を受けた。

ホームラン『漫才』、最近のこのコンビはほとんどネタ合わせをしていないと思われる。最後の『四谷3丁目』という唄を勘太郎が熱唱し、傍でタニシが踊るという演出以外は全てアドリブに見えた。それでも受けるんだから、そこは芸の力か。

文蔵『手紙無筆』、お馴染みのネタだが、突然の大声で寝ていた客を起こすというアドリブ付き。

小満ん『寝床』
昭和を代表する名人8代目文楽だが、この芸を正統に継承している弟子というのは、恐らくはこの小満んだけではなかろうか。
『寝床』は珍しく8代目文楽、志ん生、圓生が揃って高座に掛けている。
このうち文楽の演じ方が最もスタンダードと思われる。小満んの高座は文楽の演じ方を忠実に再現させていた。例えば、旋毛を曲げていた主人を番頭が甘言で説得すると、主人が徐々に怒りを収めご機嫌を取り戻すという場面は巧みだ。
加えて、子どもを連れてきた長屋の衆に幼い頃から抵抗力をつけるんだと言わせたり、ワサビが効いた刺身を食べて義太夫じゃ泣けないからワサビで泣かせようとする板前の腕前を褒めたりと、」言った独自のクスグリも入れていた。

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コメント

接近遭遇でしたね。
小八、あれでもだいぶよくなりましたよ。
なんまなんだぶのところがちょっとヘンでしたが。

佐平次様
寄席や落語会では時々お顔を合わせるようで、一度短い会話をした事もある様な気がします。
小八、念仏には工夫が要るでしょう。

小満んの「寝床」評、感服。いつぞやの新宿で、語り始めた途端、客席が期待で一つになったことを覚えています。おっと乗り出す感じ。
癇のある高い声の師匠の語り口とは違うのですが、その精髄を継承しているように感じました。

福様
この噺、演者に粋さが必要だと思います。小満んにピッタリのネタです。

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