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2019/03/20

鈴本3月中席・昼(2019/3/18)

鈴本演芸場3月中席昼の部・8日目


前座・入船亭扇ぽう『たらちね』
<  番組  >
橘家文吾『一目上り』
翁家社中『太神楽曲芸』
林家たけ平『金色夜叉』
柳家甚語楼『弥次郎』
江戸家小猫『ものまね』
台所おさん『出来心』
林家彦いち『看板のピン』
林家あずみ『三味線漫談』
春風亭正朝『町内の若い衆』
─仲入り─
林家楽一『紙切り』
古今亭志ん陽『壺算』
橘家圓太郎『強情灸』
ロケット団『漫才』
桂南喬『風呂敷』


好きな顔づけが揃った鈴本演芸場3月中席の8日目へ。

前座の扇ぽう、早口で聴き取りづらい。直した方がいい。


文吾『一目上り』、このネタは前座や浅い所で掛けられるケースが多いが、八五郎の相手が、隠居、大家、医者、兄いと次々変わる。それぞれとの距離感が異なるわけで、決して容易い噺ではない。そこのとこの演じ分けに未だ工夫が要る。


たけ平『金色夜叉』、国立演芸場では現在、演芸資料展「百の顔を持つ男、波多野栄一」の展示を行っているが、この人の「早変わり金色夜叉」などがビデオで紹介されている。一人で貫一とお宮を早変わりで演じるもので、その可笑しさとバカバカしさは一見の価値がある。
かつての男女漫才では『湯島の白梅』と共に『金色夜叉』は定番のネタだったが、近ごろはあまり流行らなくなってきたので、たけ平はそこの目を付けたんだろう。第一、タイトルを「きんいろよるまた」と読んでしまう人もいるくらいだから。
ネタは、物語の粗筋を紹介しながら間にクスグリを挟むという地噺スタイルで、楽しませていた。
熱海の海岸には貫一がお宮を下駄で蹴飛ばしている銅像があるが、そのうち地元の教育委員会から撤去されるんじゃないかしら。


甚語楼『弥次郎』、冒頭の、「公家が曲がってるから金槌で直す」というクスグリは初めて聴いた。本人のオリジナルかな。
この人らしい軽めだが丁寧な高座で好感が持てる。


小猫『ものまね』、相変わらず上手いもんだ。


おさん『出来心』、変な名前だが、どうやら先代小さんの好みのようだ。「小さん」の弟子(実際は孫弟子)で「おさん」と洒落たのだろう。
柳家のお家芸のネタだったが、独特のフラを活かせれば面白い存在になるかも。

彦いち『看板のピン』、物真似をする二番目の男が壺をふせる時の気合が空手部風。


あずみ『三味線漫談』、この日唯一のハズレ。


正朝『町内の若い衆』、男から「何でもいいから手当たり次第に家のことをほめてくれ」と頼まれえた友人、家を訪れるが何も無く、部屋は蜘蛛の巣だらけ、台所には油虫が這いまわり。「ここんちはファーブルの昆虫記か」のクスグリは秀逸。この人はこうした軽い噺が上手い。


楽一『紙切り』、小さな女の子がリクエストした「アリエル」がお見事。楽協で身体を動かさずに切る唯一人の紙切り芸人。


志ん陽『壺算』、困惑する瀬戸物屋の主人(or番頭)の表情が良い。人気の面で立ち遅れているが、やがて化ける可能性を秘めている人だ。


圓太郎『強情灸』、思わず兄いと一緒に灸の熱さに堪えてしまった。会場の気温をいっぺんに上昇させた技量は、さすが。


ロケット団『漫才』、いつもの四文字熟語と山形弁で笑わせる。


南喬『風呂敷』、マクラで男の浮気の小咄を。帰宅してズボンを脱いだ亭主に妻が「あなた、朝はいていったステテコはどうなすったの?」「いや、その、電車が混んでいたから」。
履いていたパンツが裏返しになって妻から浮気がバレた亭主、今度はちゃんと履いていた事を示すと、妻が「それじゃ、二人となすってきたのね」。
お馴染みのネタだが、押し入れに隠した若い男を救い出して欲しいと頼まれた兄いの人物像が鮮やかに描かれ良い出来だった。
貫禄の一席。


総じて熱演が続き、充実の番組だった。

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コメント

甚語楼は昨年末、やはり鈴本で『新聞記事』を聴きました。丁寧で説得力のある高座。正蔵のそれが滑稽感に重きを置いているのに対して、よい意味での計算(計画と言うべきか)が背後で働いているようで、知的でした。

福様
甚語楼は地味ながら着実に上手くなってきています。楽しみな一人です。

お久しぶりです。m(_ _)m

相変わらず、良い顔付けですね。

佃育ちの白魚さえも、花に浮かれて隅田川

山家者は、二時間弱の電車に揺られ、鈴本の下席で浮かれる予定です。平日の昼席で昼酒を愛でつつ。


蚤とり侍様
ようやくブログも正常化しコメントも表示されるようになりました。
中席は顔づけも良かったし、熱演が続き満足しました。下席はさん喬の芝居で、これも楽しみですね。
昼席、昼酒、結構なご趣向です。

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