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2019/04/23

国立名人会(2019/4/21)

第428回4月「国立名人会」
日時:2019年4月21日(日)13時
会場:国立演芸場
<  番組  >
前座・三遊亭ぐんま『権助魚』
春風亭百栄『桃太郎後日譚』
柳家喬之助『口入屋』
三遊亭白鳥『黄昏のライバル』
―仲入り―
桃月庵白酒『だくだく』
寒空はだか『漫談』
柳家喬太郎『結石移動症』
(前座以外はネタ出し)

4月に入ってから珍しく飲み会が2度あった。いずれも年に一度お声をかけて下さる方々で、一人は一緒に部署にいたのは数年、もう一人は業務の面では関わり合いがあったが一度も同じ部署で仕事はしたことがなかった。人間関係というのは面白いもので、長年仕事を共にしながら年賀状をヤリトリする程度という人もいれば、前記の様な人もいる。

4月の国立名人会、いつもは「ボッチ」主義だが、今回はこれも珍しく息子と一緒に出掛けた。前回はいつだったか思い出せないくらい遠い昔だ。
今回の名人会は、出演者が口を揃えて言ってたが、名人会らしからぬ異色の顔ぶれとなった。

ぐんま『権助魚』、上手くなりそうだ。もしかしたら師匠を追い越すかも。

百栄『桃太郎後日譚』
鬼退治から宝物を持って帰ってきた桃太郎の家に、犬、猿、雉の3匹が居座って酒ばかり飲んでいる。手を焼いたお爺さんとお婆さんが桃太郎に匹を追い出して欲しいと頼むが、3匹側はたったきび団子1個で危険な仕事させられたと居直る。すると桃太郎は、お前たちが有名になったのは桃太郎という存在があったからで、動物だけだったら世間は相手にしなかったと反論する。今度は3匹側が、鬼ヶ島では桃太郎が妻子が命乞いをする中で、笑いながら鬼の父親を斬り殺していたとお爺さんとお婆さんに伝えると・・・。
ネタと百栄の喋りのリズムが合わないせいか、客席の反応は今ひとつ。
お伽噺の桃太郎はツッコミ所満載だ。春風亭小朝の『桃太郎』では、子どもが父親にこのストーリーを米国のイラク攻撃に例えて説明するという手法を採っていた。
そうしたバリエーションの一つ。

喬之助『口入屋(引越しの夢)』
今までに何度かこの人の高座を観てきて辛口の感想を述べてきたが、この日は面白かった。テンポが良く、噺の運びがスムースだった。何を喋っているのか不明な「てんどん」という奉公人というクスグリは秀逸。

白鳥『黄昏のライバル』
20年後の落語界の姿。白酒が協会会長で人間国宝となる。小三治は「もう小言念仏は高座にかけません」と誓うし、ライバルだった一之輔は痴情関係のもつれから一花に刺されてしまう。
かくして上り詰めた白酒だが、更に上を目指す意欲を失う。心配した弟子が、かつては最大のライバルで今はおでん屋をしている三遊亭白鳥の元を訪れ、師匠と落語で対決して欲しいと頼むが・・・。
ナンセンスなストーリーで、全編これ楽屋落ちとギャグいうネタだったが、会場は大受けだった。

白酒『だくだく』
白鳥にいじられて、やりにくそうに演じ始めるが、ネタに入ってからはいつもの調子。手裏剣や忍術まで繰り出す「つもり」合戦で沸かせる。

はだか『漫談』
喬太郎の会では色物としてよく登場するが、初めてという客も多かったようだ。歌唱力を活かした歌謡漫談というべきジャンルに属するのだろう。最後はお約束の「東京タワー」で締め。

喬太郎『結石移動症』
いつもの池袋自虐ネタから本題へ。
池袋の風俗街の中にある食堂のオヤジさんで名前は賢ちゃん、味は良くないが出前を細目にしてくれるので、ソープ嬢たちからは重宝がられている。そんな賢ちゃんだが、結石移動症という難病に罹り痛みに耐えがたく、近ごろでは店を休む日が続いていた。心配したソープ嬢たちからはお見舞いが届くが、中身は既製品のソースばかりで、味付けを研究してねという手紙が添えてあった。
ある日、賢ちゃんの所へ折合いの悪かった一人息子が突然訪れ、結婚したいという娘を紹介する。処が、その娘は賢ちゃんとは顔なじみで、以前はソープで働いていた。事実を知って驚く息子。それを事前に息子に打ちあけていなかった娘に腹を立てる賢ちゃんだが、結石移動症の激痛が襲う。聞けば余命3ヶ月とか。見かねた娘は知り合いの鍼灸師の堀田さんを呼んで治療をして貰うと、賢ちゃんの病気は全快し、娘の真心に感謝する。
「針医の堀田と賢ちゃんの石(ハリー・ポッターと賢者の石)」、この話が本になるとベストセラー、映画は大ヒット、やがて全世界に拡がっていった。
人情噺風の新作でベタな中身だが、喬太郎の語りの上手さで聴かせていた。

いつもはハネタ後は直帰だが、この日は寿司屋に寄って、たらふく食いたらふく呑んで、ご機嫌で帰宅。

 

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コメント

これはまた、かなりの騒々しい顔ぶれで(笑)。
>ネタと百栄の喋りのリズムが合わない
百栄では「強情灸」のときにこれを感じました。
今、志ん生がクローズアップさていますが、それを基準とした場合の話です。

福様
志ん生が今ごろクローズアップとは苦笑させられます。観てないので分かりませんが大河ドラマの影響かなんかでしょうか。
百栄の喋りは江戸弁とは程遠いので、啖呵がきれないから古典は制約があるでしょうね。


息子さんとの寿司屋もよかったですね。
息子さんも落語に一家言?

佐平次様
前回、息子と落語を聴きに行ったのは、おそらく20年以上前かと思います。ですから落語はビギナーです。落語も面白かったし寿司も旨かったと言ってました。

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